米エンリンクとオキシ・ローカーボン・ベンチャー、ミシシッピ川流域のCO2輸送事業で協業発表

(米国)

ヒューストン発

2022年05月09日

石油ガスのパイプライン輸送を担う米国のエンリンク・ミッドストリームの子会社エンリンク・ミッドストリーム・オペレーティング(本社:テキサス州ダラス)と米国石油大手オクシデンタルの子会社オキシ・ローカーボン・ベンチャー(OCLV、本社:テキサス州ヒューストン)は5月3日、ミシシッピ川流域の二酸化炭素(CO2)輸送事業の協業に合意したと発表した。この契約により、エンリンクはミシシッピ川下流に位置するルイジアナ州ニューオリンズ近郊のワガマンからバトンルージュまで、OLCVに対してCO2輸送サービスを提供する。

エンリンクは、既存・新規のパイプラインと関連インフラを利用して、製造拠点や発電所などのCO2点源排出者から、OLCVがルイジアナ州リビングストン郡に計画している3万エーカー(約121平方キロ)以上の貯留施設にCO2を輸送する計画だ。

OLCVは子会社の1ポイントファイブを通じて、メキシコ湾岸を中心に全米でCO2の地下貯留ハブ施設を複数の拠点で開発しており、そのうちの一部に、CO2の直接大気分離回収(DAC)施設を併設する計画だ。貯留施設と輸送インフラを組み合わせたハブの構築により、オクシデンタルは「新たな炭素管理ソリューションを提供することが可能となる」としている。

両社はメキシコ湾岸でのCO2回収・輸送・貯留(CCS)事業に関連した取り組みを加速化している。エンリンクは2022年2月15日、米国の石油ガス開発会社タロス・エナジー(本社:テキサス州ヒューストン)とルイジアナ州で商用規模のCO2排出に対応するCCS事業を展開する合意書を締結すると発表している(2022年2月17日記事参照)。

OLCVは2022年3月28日、米国林業大手ウェアーハウザー(本社:ワシントン州シアトル)と、CCSプロジェクトの実現に向け、ルイジアナ州リビングストン郡のウェアーハウザー所有地のリース契約に合意したと発表している(2022年4月6日記事参照)。同社は4月25日に、石油ガスのパイプライン輸送を担う米国のエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズの子会社エンタープライズ・プロダクツ・オペレーティング(本社:テキサス州ヒューストン)とメキシコ湾岸でのCCSで協業する合意書を締結したと発表している(2022年4月27日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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