ペロシ米下院議長がマレーシア訪問、サブリ首相と会談、人権問題など議論

(米国、マレーシア、ロシア、ミャンマー)

米州課

2022年08月03日

米国連邦議会のナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州)が率いる下院民主党議員団(注)は82日、台湾訪問(2022年8月2日記事参照)前にマレーシアを訪問し、同国のイスマイル・サブリ首相らと会談を行った。

ペロシ議長は同会談について「われわれは、自由で安全なインド太平洋という共通の目標を推進するため、幅広い議論を行った」との声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し(82日)、両国が安全保障や経済、貿易、人権、気候問題で協力を続けることに合意したとしている。

安全保障・人権問題について、ペロシ議長は声明の中で、マレーシアがロシアのウクライナ侵攻に伴う国連の非難決議に賛成票を投じたことや、「ASEAN加盟国はミャンマーの暴力行為や人道的状況の悪化に深い懸念を抱いている」としたASEAN議長声明(2022年2月4日記事参照)で主導的役割を果たしたことに感謝の意を表した。

サブリ首相は会談後にツイッターを更新し、「マレーシアと米国はあらゆる分野で重要なパートナーだ」として両国関係を説明した上で、人権問題について「マレーシアが人身取引や密入国の問題に対応するという継続的なコミットメントを表明した」「米国が発表した人身取引報告書におけるマレーシアの格付けを再評価するよう要請した」と述べた。米国務省が719日に発表した人身取引報告書では、マレーシアは中国やロシアなどとともに、人身取引への対策が最も遅れているグループ(ティア3)に格付けされていた(2022年7月22日記事参照)。

(注)下院民主党議員団はペロシ議長のほか、グレゴリー・ミークス外交委員長(ニューヨーク州)、マーク・タカノ退役軍人委員長(カリフォルニア州、日系3世)、スーザン・ベルデネ歳出副委員長(ワシントン州)、ラジャ・クリシュナムルティ情報特別委員会委員(イリノイ州)、アンディー・キム軍事委員会委員(ニュージャージー州)の5人で構成。731日からシンガポール(2022年8月2日記事参照)を皮切りにアジア歴訪を進めており、台湾訪問後は韓国と日本に訪問する予定。

(葛西泰介)

(米国、マレーシア、ロシア、ミャンマー)

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