ミャンマー国軍の権力掌握から1年経過、ASEANの反応
(ASEAN、ミャンマー、シンガポール、インドネシア、カンボジア)
ジャカルタ発
2022年02月04日
ミャンマーで国軍による権力掌握後、2022年2月1日で1年が経過したことに合わせ、ASEAN、インドネシアおよびシンガポールはそれぞれ声明を発表した。
ASEANはミャンマーの情勢に関する議長声明を2月2日に発表した。同声明では「ASEAN加盟国は、ミャンマーにおける暴力行為や人道的状況の悪化に深い懸念を抱いている」とした上で、ミャンマー当局に「5項目の合意」(2021年4月27日記事参照)を完全に履行するための具体的なアクションを取るように求めた。
インドネシア外務省は、「ミャンマー国軍による行為を強く非難する」とコメントした。また、「5項目の合意」の実施に大きな進展がみられないとした上で、「迅速に5項目の合意を実施し、ASEAN特使(カンボジアのプラック・ソコン副首相兼外務国際協力相)へのアクセスを直ちに提供するよう要請する」とした(インドネシア外務省プレスリリース)。
シンガポール外務省は、「5項目の合意」の実行が進展していないことに対する失望感を表明し、ASEAN特使が全ての関係者と面談できるように取り計らわれるべきと主張した上で、外国人拘留者やアウンサンスーチー氏など全ての政治的拘留者の釈放を求めた(シンガポール外務省声明)。
フン・セン首相は2022年2度目の面談を実施
2022年のASEAN議長国を務めるカンボジアのフン・セン首相は、積極的にミャンマーとの交渉を行っている。1月7日にはミャンマーを訪問し、ミンアウンライン国軍司令官兼国家統治評議会議長と対面形式で面談を行った(2022年1月12日記事参照)。さらに1月26日にはオンライン形式で再度面談を行い、「5項目の合意」の実現に向けた努力が引き続き重要なこと、ASEAN特使のミャンマー訪問を速やかに調整することなどを要望した(カンボジア外務国際協力省プレスリリース)。
(上野渉)
(ASEAN、ミャンマー、シンガポール、インドネシア、カンボジア)
ビジネス短信 7f221a65c83b1725