ペロシ米下院議長、シンガポールで政府要人と会談、台湾も訪問か

(米国、シンガポール、台湾)

米州課

2022年08月02日

米国のナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州)は81日、自身が率いる下院民主党議員団のシンガポール訪問について声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ペロシ議長は731日にアジア歴訪を正式発表し(2022年8月1日記事参照)、初めにシンガポールを訪れた。

同議長は、声明の中で「議員団は、重要な同盟国かつ友好国との強いパートナーシップを再確認するため、シンガポールを訪問した。政府要人との2者会談では、安全保障と安定、経済成長と貿易、価値観に基づく統治に関して、両国がいかに協力を継続できるかに焦点を当てた」と述べている。リー・シェンロン首相との会談では、ルールに基づく国際秩序の維持・強化、貿易と投資の重要性などについて議論が行われた。リー首相は2022年に入って2度、米国連邦議会を訪問しており、512日にジョー・バイデン大統領主催の米国・ASEAN特別サミットにも出席(2022年5月17日記事参照)、今回の会談はこれに続くものとしている。

議員団は、ハリマ・ヤコブ大統領とも会談し、シンガポールに駐留する米軍兵士に対する同国のホスピタリティーに謝意を表した。また、同国初の女性大統領および女性国家議長である同氏に敬意を表すとともに、社会における女性の地位向上や両国の同盟関係などに関して意見交換を行った。そのほか、ローレンス・ウォン副首相兼財務相との間で、太平洋の両岸における安全保障、繁栄、機会の進展について、ビビアン・バラクリシュナン外相およびターマン・シャンムガラトナム上級相との間で、不公正に対処し経済成長を促進するための両国における戦略的投資について、テオ・チー・ヒーン上級相との間で、自由で開かれたインド太平洋へのコミットメントなどについて、議論したとしている。また、ペロシ議長は、声明の最後に「われわれは地域の訪問を続けるが、自由と繁栄のインド太平洋を推進するために、パートナー国とのさらなる関わりを楽しみにしている」と述べた。

ペロシ議長一行のアジア歴訪では、台湾訪問の有無が注目されている。台湾と米国の政府高官は「アジア歴訪の一環として、台湾を訪問する見通し」と語っており、もし実現すれば、19974月のニュート・ギングリッチ氏(共和党)以来、25年ぶりの米国下院議長の訪問となる。

(片岡一生)

(米国、シンガポール、台湾)

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