3例目のサル痘輸入症例を確認、抗ウイルス薬も調達

(台湾)

中国北アジア課

2022年08月09日

台湾の中央流行感染症指揮センター(CDC)は86日、台湾で3例目のサル痘感染者を確認したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。感染者は20代の台湾籍の男性で、82日に米国から台湾に入境した。男性は翌3日に発熱、リンパ節肥大や膿疱(のうほう)、背中の痛み、発熱などの症状を訴え、病院で検査を受けたところ、6日に陽性が確認されたという。また、感染者との密接な接触があった者(高リスク接触者)や、米国から台湾への航空便で隣の席に座っていた乗客(中リスク接触者)については、823日まで健康観察を実施する。

台湾では623日にサル痘が第二類法定伝染病に指定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされ、86日までに感染が疑わしいケースが21件通報された。このうち、陽性が確認されたのは、ドイツからの輸入症例1件(2022年6月28日記事参照)と米国からの輸入症例2件あり、今回のケースは3例目に当たる。

CDCは、630日以降に感染者が確認された国・地域のうち、域内感染または感染源が不明のケースが見られた国・地域の等級について、防疫強化を呼びかける2級に引き上げている(2022年7月1日記事参照)。また、入境時に発熱や発疹、水疱または膿疱などの皮膚病変、その他の疑わしい症状が見られた場合、航空会社職員と空港の検疫担当者に報告するとともに、直ちに病院で治療を受け、医師に海外渡航歴や他者との接触履歴を報告するよう呼びかけている。

なお、サル痘の抗ウイルス薬については、重症患者が確認された際に「テコビリマット」が提供できるよう、7月末に調達を行った。ワクチンについては、備蓄用として第3世代の天然痘ワクチン調達を急いでいるという。

(柏瀬あすか)

(台湾)

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