台湾CDC、サル痘確認の44カ国に感染症警戒水準を引き上げ
(台湾)
中国北アジア課
2022年07月01日
台湾の中央流行感染症指揮センター(CDC)は6月30日、海外でのサル痘感染拡大を受けて44カ国・地域を対象に、国際旅行疫情建議等級(各国に対する感染症危険水準)を2級に引き上げた。等級は、注意喚起レベルの1級、防疫強化を呼びかける2級、不要不急の渡航を避けるよう警告する3級(注)に分けられており、数字が大きいほど危険水準が高い。
CDCは、感染者が確認された55カ国・地域のうち、域内感染または感染源が不明のケースが見られた44カ国・地域の等級を2級に引き上げたと説明した。対象は、CDCの国際旅行疫情建議等級ページ(中国語、英語)から確認可能だが、今後の感染状況により変更する可能性があるとしている。
台湾では、6月23日にサル痘が第2類法定伝染病に指定されたほか、翌24日には域内初のサル痘の輸入症例が確認されており、感染状況の調査や接触者の健康監視などが実施されている(2022年6月28日記事参照)。
CDCは、サル痘の感染経路は病変部分への直接的な接触や、感染者の飛沫(ひまつ)物、汚染物質との接触が主なもので、等級引き上げの対象となった国・地域に旅行する場合、不特定の人々と密接に接触する可能性のある社会活動など、リスクの高い場所に行くことは避けるよう呼びかけた。また、台湾への入境や入境者と接触後に発熱やリンパ節の肥大、皮疹などの症状が見られた場合は、すぐに治療を受けるとともに、他者との接触履歴を報告するよう求めている。
(注)新型コロナウイルス感染症の等級は3級で、世界全地域が対象となっている。
(柏瀬あすか)
(台湾)
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