米国務長官がアフリカ訪問、食料安全保障や気候変動対策など多くの協力約束

(米国、アフリカ、南アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ルワンダ)

中東アフリカ課

2022年08月18日

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は8712日、南アフリカ共和国とコンゴ民主共和国(DRC)、ルワンダの3カ国を訪問した。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相(2022年8月5日記事参照)、フランスのエマニュエル・マクロン大統領(2022年8月10日記事参照)に続くアフリカ訪問となった。

ブリンケン長官は87日から8日に南アを訪問。同国のナレディ・パンドール国際関係・協力相との共同会見で、ウクライナ情勢によるアフリカでの食料危機について「アフリカ全域で食料安全保障の基盤を強化し、農業生産能力と回復力を向上させ、長期的に安価で栄養のある食料を手に入れられるようにする」として支援を約束した。気候変動についても、4月に起きたクワズル・ナタール州での洪水(2022年4月15日記事参照)に触れ、その緊急性を強調。その上で、再エネ分野への投資や官民連携を通じた支援を行うとした。そのほか、両国は新型コロナウイルス対策など保健分野の協力でも一致した。

ブリンケン長官は南アを訪問中、バイデン政権による(サブサハラ)アフリカ戦略を発表。「開かれた社会の促進」「民主主義の実現」「パンデミックからの回復」「クリーンエネルギーへの移行」の4つを優先課題として掲げ、アフリカ諸国と「対等なパートナーとして協働する」ことを表明した。

ブリンケン長官は9日にDRC11日にルワンダをそれぞれ訪問。両国は、ルワンダがDRC国内の反政府組織「323日運動(M23)」を支援しているとして対立。ブリンケン長官はDRCのクリストフ・ルトゥンドゥラ副首相兼外相との共同会見で「ルワンダがM23を支援しているという信頼できる報告に懸念を抱いている」と述べた。また、ルワンダのビンセント・ビルタ外相との共同会見では、今後の和解プロセスについて「今回の協議で両国の大統領は互いに直接会談を行うことに合意した」として成果を強調。今後も調停支援を継続する方針を示した。そのほか、両国との会談では南アと同様、食料安全保障や気候変動対策についても連携することを確認した。

なお、米国ホワイトハウスは720日、12月13~15に首都ワシントン米・アフリカ首脳会談」を開催することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。

(梶原大夢)

(米国、アフリカ、南アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ルワンダ)

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