マクロン・フランス大統領が西アフリカ諸国訪問、食料危機や安全保障を議論

(アフリカ、フランス、カメルーン、ベナン、ギニアビサウ、ロシア)

中東アフリカ課

2022年08月10日

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は725から728日にかけて、カメルーン、ベナン、ギニアビサウの西アフリカ諸国を訪問した。主にウクライナ情勢による食料危機や、農業生産、安全保障などに焦点が当てられた。

マクロン大統領のアフリカ訪問に先立って、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相がエジプトとコンゴ共和国、ウガンダ、エチオピアを訪問しており、アフリカの食料危機は西側による対ロ制裁によるものと主張していた(2022年8月5日記事参照)。これに対してマクロン大統領は、世界的な食料危機はロシアの「戦争における武器」の1つだとし、西側の対ロ経済制裁が原因とのロシア側の主張を否定した。その上で、ギニアビサウのウマロ・シソコ・エンバロ大統領との共同会見で「食料問題で外部圧力に負けないためには、より多くの食料を生産する必要」があり、「われわれは資金や訓練、設備など、あらゆる手段を講じる」と述べるなど、アフリカの食料自給率の向上支援に前向きな姿勢を示した。

また、マクロン大統領は安全保障問題にも言及。サヘル地域ではテロが近年多発しているが、カメルーンでの演説で「われわれは引き続きアフリカ大陸の安全保障に取り組み、アフリカのパートナー国の要請に基づいて介入する」と述べるなど、テロ対策を含む軍事面でもアフリカ諸国との関係を強化していく方針を示した。カメルーンのポール・ビヤ大統領は「フランスはカメルーンのみならず、アフリカ大陸全体の安全保障のために行動することに同意している」として歓迎した。

(梶原大夢)

(アフリカ、フランス、カメルーン、ベナン、ギニアビサウ、ロシア)

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