サル痘感染者が39人に増加、ワクチン調達の可能性も議論
(チリ)
サンティアゴ発
2022年07月29日
チリ保健省は7月21日、国内のサル痘感染者が39人に増加したと発表した。6月17日に国内で初めて感染者が確認され(2022年6月21日記事参照)、1週間後の24日には7人、4週間後の7月15日には25人と、増加傾向にある。
同省の報告によると、39人の国内感染者は全て男性で、年齢は20~46歳とされている。そのうち30%は過去21日間に外国渡航歴があり、23%は発症から21日前までに外国渡航歴がある者との接触がある。感染者の93%は首都圏州在住者となっている。
同省は6月25日に既にサル痘の衛生警告を全土に発令しており(2022年6月29日記事参照)、医療体制やサーベイランスの強化によって、感染者、感染疑義者、濃厚接触者の治療や隔離、特定、追跡を行っている。一方で、サル痘に関して入国規制や国境封鎖などの水際対策は7月28日時点では実施していない。マリア・ベゴニャ・ジャルサ保健相は、世界保健機関(WHO)が7月23日にサル痘について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と認定したことを受け、チリはサル痘の感染拡大に対応する能力を備えていると強調し、国民への正しい情報提供や感染拡大を防止する対策についての周知を行った。
7月28日付「エモール」紙は、国際経済関係次官官房(SUBREI)がサル痘ワクチンの調達と供給の可能性について、保健省と定期的に調整を行っていると報じた。ワクチンがサル痘の感染予防に効果的と証明された場合、SUBREIは国内でサル痘ワクチンの供給が行えるよう、ワクチン確保にあらゆる準備を進めていると伝えられている。
(岡戸美澪)
(チリ)
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