上海市、封鎖解除から1カ月で正常化進むが、局所的な封鎖管理のリスクも

(中国)

上海発

2022年07月07日

上海市の新型コロナウイルス感染に伴う封鎖解除から1カ月が経過し、経済活動や市民生活はほぼ正常化している(2022年6月1日2022年6月14日記事参照)。

629日には上海市内の飲食店での店内飲食が再開され、71日からは体育館の利用も再開された。8日からは映画館も営業を再開する予定になっている。飲食店、体育館については区内に中リスク地域がなく、直近1週間で社会面での感染事例が発生していない行政区(街道や鎮)という条件はあるものの、封鎖期間の消費落ち込みからの復活第一歩となることが期待される。さらに、4日には地下鉄11号線の上海市の安亭駅と江蘇省昆山市の花橋駅間の運行が再開され、上海市と江蘇省をまたぐ地下鉄による通勤も可能になった。

このような正常化が進む一方、734日には「社会面」(封鎖管理区域以外の区域)で1例ずつ感染事例が発生した。上海市全体の感染者数も増加しており、感染事例と無症状感染者の合計は3日に3例、4日に8例、5日に24例となっている。6日の上海市の会見では、上海市内で高リスク地域4カ所、中リスク地域22カ所を指定したと発表した。

今回高リスク地域に指定された場所では、人員の出入りが激しく、関連する人々の行動範囲が市内の複数の区や場所に及び、社会的な感染リスクがあることを理由に、75日から7日にかけて、長寧区、静安区、閔行区など9つの区は全域、浦東新区、嘉定区、奉賢区は一部地域で、3日間に2回の一斉PCR検査が実施される。

感染者が居住する小区(住宅エリア)などは高リスク地域となり、7日間の封鎖管理の間は部屋から出られなくなる。また、感染者が一定期間活動した場所などは中リスク地域となり、7日間は小区から出られなくなる。このように突然の封鎖管理となり、外出できなくなるリスクがいまだに存在する。

(高橋大輔)

(中国)

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