上海市、封鎖解除後も「社会面」での新型コロナ感染相次ぐ

(中国)

上海発

2022年06月14日

上海市の新型コロナウイルス感染に伴う封鎖は6月1日に解除され、経済活動や市民生活が正常化しつつある(2022年6月1日記事参照)。しかし、封鎖解除以降もほぼ毎日、「社会面」(封鎖管理区域以外の区域)での感染事例が報告されている(添付資料表参照)。これに伴い、上海市内の35カ所が中リスク地域に指定されている。また、市内の浦東新区、黄浦区など一部の区では6月11日、12日に区民一斉のPCR検査を実施した。

上海市は11日、防疫コントロールの成果をさらに強固にし、広範な市民の生命と健康を確実に守るためとして、以下の措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

  • 全市の常態化PCR検査場での無料PCR検査の実施を7月31日まで延長する。
  • 6月11日から7月31日まで、市民は週に少なくとも1回はPCR検査を行う。7日以内のPCR検査記録がない場合、その市民の「随申コード」(注)は黄色になる。PCR検査を受ければ「随申コード」は24時間以内に変更される。
  • 7日間以内のPCR検査記録がない市民は、直ちに小区のPCR検査、または常態化PCR検査場でPCR検査を受けなければならない。検査すべきなのにもかかわらず検査を受けず、それにより感染を拡大させた場合、法に基づいて相応の法律責任を追及する。
  • 「随申コード」が黄色の場合は、居住する小区の出入り、PCR検査場への移動、病院での診察以外では不必要に外出せず、できるだけ他人との接触を減らし、公共の場所に集まることを避ける。

また、上海市商務委員会の頼暁宜二級巡視員は6月12日の上海市の新型コロナ対策に関する記者会見で、飲食、美容、家政などの住民生活サービス業の操業再開での防疫措置のガイドラインを公布したことを明らかにした。ガイドラインによると、現在、飲食サービスはオンラインで予約の上、持ち帰りのみ可能で、店内での飲食提供はしないよう求めているという。また、現時点では金山区、奉賢区、崇明区の3つの区の一部の飲食店で店内飲食の試行を行っている段階だと説明した。

(注)「随申コード」とは、PCR検査結果や移動履歴などを基に、QRコードの色が変化するもの。異常なしならば緑色、異常がある場合は原因に応じて黄色または赤色になる。アリババが提供する「支付宝」アプリの中で取得できる。

写真 上海市内の常態化PCR検査場(ジェトロ撮影)

上海市内の常態化PCR検査場(ジェトロ撮影)

写真 上海市内の常態化PCR検査場(ジェトロ撮影)

上海市内の常態化PCR検査場(ジェトロ撮影)

画像 随申コード(ジェトロ撮影)

随申コード(ジェトロ撮影)

(高橋大輔)

(中国)

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