浙江省、消費の回復に向けた経済促進策を発表

(中国)

上海発

2022年06月07日

浙江省では、省内の新型コロナウイルス感染対策や、隣接する上海市で5月末まで実施されていた封鎖管理(注)などにより、経済活動が大きな影響を受けた(2022年4月8日4月25日記事参照)。消費動向を示す社会消費品小売総額は、2022年1~4月期は前年同期比1.3%増の9,029億元(約17兆1,551億円、1元=約19円)だったが、4月単月では前年同月比11.8%減の1,910億元(約3兆6,290億円)と2桁の減少となった。うち、小売りおよび飲食業の小売総額はそれぞれ前年同月比10.9%減、18.1%減となり、新型コロナウイルス感染拡大などによる個人支出の減少や、外出制限による外食頻度低下の影響を受けたと考えられる。

浙江省政府は5月31日、財政支援、金融支援、投資拡大、消費促進、対外貿易および外資導入の安定、食糧・エネルギーの安全、産業チェーン・サプライチェーンの安定、基本的な民生の保障など、8つの分野に関する38項目の政策を発表した。うち、消費促進に関しては、以下4項目の施策を打ち出した。

  1. 自動車、家電、電動自転車、家具・内装、飲食・宿泊、文化・旅行・スポーツなどの分野での各種商品券の発行。
  2. 杭州市で2022年内の自動車販売台数増加に関する目標設定を行い、総量規制およびナンバープレート制限の緩和など、自動車販売制限の最適化を加速する。
  3. 新エネルギー車の普及拡大に向け、3億元の補助金を支給するとともに、新エネルギー車に対する補助金政策の最適化を推進する。
  4. 就業の安定化におけるプラットフォーム経済の機能を十分に発揮させ、プラットフォーム企業および関連する中小・零細企業の発展に向けた予見性の安定化を図る。また、プラットフォーム企業によるデジタル化改革アプリケーション開発への参画を支持する。

浙江省政府は、6月末までにこれら施策の実施完了を目指すとしている。

(注)上海市は、6月1日から中高リスク地域、封控区、管控区以外の地域における、小区(住宅エリア)の出入り、自家用車を含めた自動車の通行制限の解除、公共交通機関の運行再開を発表した(2022年6月1日記事参照)。

(龐婷婷)

(中国)

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