新型コロナの防疫措置、浙江省企業の活動に影響

(中国)

上海発

2022年04月25日

上海市に隣接する浙江省では、4月1日から19日までに239人の新型コロナウイルス確定症例と484人の無症状感染者が確認された。省内でも感染者が多い海寧市(嘉興市内の県級市)では4月4日以降、「重大突発公共衛生事件1級対応」(注1)に基づく管理を実施していたが、18日から「封控区」「管控区」「防范区」の3区分によるコントロール外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに変更となった。金華市は感染拡大に伴い、16日から「重大突発公共衛生事件2級対応」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づく対策を実施している。

新型コロナ感染拡大とそれに伴う防疫措置は、企業の生産活動にも影響を与えている。寧波市自動車・部品産業協会が16日に発表した調査レポートによると、アンケートに回答した自動車部品企業100社のうち、50~60%が上海市と江蘇省の感染拡大の影響を受けていると回答、10~20%が長春市、広州市、深セン市、重慶市などの感染拡大の影響を受けているとした。例えば、浙江省の自動車大手である吉利汽車は長春市、上海市、江蘇省・深セン市などにあるサプライヤーの操業や輸送の停止により、一部の生産ラインが稼働を停止しているという。また、企業によっては、オフィスが「管控区」(注2)となったり、一部の従業員が隔離の対象となったりしたことで人手不足に陥り、生産ラインに影響が及んでいるという(「第一財経」4月19日)。上海市や江蘇省などの周辺省市の防疫措置が浙江省の一部企業にも波及しているとみられる。

なお、3月の吉利汽車の自動車販売台数は前年同期比1%増の約10万台にとどまっており、10%を超える成長を実現できなかったのは、上海市、大連市、昆山市などにあるサプライヤーの操業停止が影響したと指摘されている(「毎日経済新聞」4月11日)。

(注1)「国家突発公共事件総合緊急対応マニュアル」によると、疫病など公共衛生に関する突発事件について、1級、2級、3級(比較的重大)、4級(一般)の4段階に分類しており、1級は国務院の決定と指揮に基づいて対策を実施する。2級は省レベルで対策を実施できる。

(注2)管控区では、区内から区外への移動や集会が禁止される。

(龐婷婷)

(中国)

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