中銀が政策金利を0.75ポイント引き上げ7.75%に 過去最大の利上げ幅

(メキシコ)

メキシコ発

2022年06月29日

メキシコ中央銀行は6月23日、政策金利を75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げ、7.75%とすることを発表した。75bpは過去最大の引き上げ幅となる。既に6月初旬にビクトリア・ロドリゲス・セハ中銀総裁が消費者物価上昇(インフレ)率の高進に触れ、次回の金融政策決定会合では50bpを超える利上げを実施する可能性に言及していた。金融政策決定会合で政策金利が引き上げられるのは9回連続となり、今回の75bpの利上げは全会一致で決定した。

中銀はプレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、大幅な利上げを行った理由について「(新型コロナウイルスの)パンデミックによって引き起こされたインフレ圧力に、地政学的紛争と中国での厳しい外出規制による影響が加わった結果、6月前半のインフレ率は7.88%、コアインフレ率は7.47%と、過去20年見られなかった水準まで上昇している」(2022年6月29日記事参照)ことを挙げ、インフレ率の上昇が「中長期的な価格形成プロセスの見通しに与えるリスク」を考慮した結果と説明している。

政策金利は2020年2月以降、新型コロナ感染拡大による世界的経済危機の影響を緩和するため段階的に引き下げられたが、「新型コロナ渦」によるサプライチェーンへの影響からインフレ率が上昇したことによって、2021年6月以降は継続的に引き上げられてきた(添付資料図参照)。7.75%は2019年9~11月以来の水準で、国内の景況感が新型コロナ危機以前の水準に回復していない一方で、政策金利は危機前の水準に戻ったかたちだ。

AMLO大統領、米国とインフレ率上昇抑制策について協議する考え

アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は6月24日の記者会見で「メキシコ中央銀行の独立性は尊重するが、他国の中央銀行も含めて、政策金利引き上げ以外のインフレ率上昇抑制策を考えるべき段階に来ている」とし、政策金利引き上げは経済成長を減速させるとの懸念を示した。さらに「国家は生産によって成長するという基本的概念に立ち返らねばならない」とし、金融政策のみに頼るのではなく、生産を増大させることでインフレ上昇に打ち勝つ方法を世界全体で模索する必要があると見方を説明した。また、次回の訪米時にジョー・バイデン米国大統領と会見する機会を捉え、メキシコが実施するインフレ率上昇抑制策(PACIC、2022年5月10日記事参照)を紹介するとともに、米国と共同でインフレ率上昇を低減する取り組みを実施することを提案したいとの考えを示した。「メキシコ北部国境地帯のガソリンスタンドでは、陸路で越境してきた米国人が自国よりも安価な値段で給油を行っている姿が多くみられる」とし、「米国からもわが国経済への貢献を望みたい」と述べた。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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