6月前半のインフレ率は前年同期比7.88% 21年ぶりの高水準

(メキシコ)

メキシコ発

2022年06月29日

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は6月23日、6月前半の消費者物価上昇(インフレ)率が前年同期比7.88%だったと発表した。月の前半と後半(15日ごと)に分けてINEGIが発表するインフレ率(年間)は、4月前半が同7.72%、4月後半が7.65%、5月前半が7.58%と、やや低下傾向にあったが、5月後半は7.72%に上昇し、6月前半は消費者物価上昇率が市場の予測を上回る前年同期比7.88%に達した(添付資料図1参照)。これは、2001年1月前半の前年同期比8.37%に次いで高く、21年5カ月ぶりの高水準だ。

6月前半のインフレ率(年間)の内訳をみてみると、「食品・飲料・たばこ」が前年同期比11.71%で、最大の押上要因となっている。次いで寄与度が大きいのは「食品を除く財」で、同7.80%だった。「食品・飲料・たばこ」と「食品を除く財」から構成される「財」は、前年同期比9.85%で、インフレ率全体を3.93ポイント押し上げた。「サービス」では、レストランや軽食堂、通信、パッケージツアー、医療診察費などを含む「その他サービス」が前年同期比6.64%上昇した。「その他サービス」に「住居関連サービス」(2.97%)、「学校等授業料」(3.31%)を合わせた「サービス」全体としては、前年同期比4.77%だった。「財」と「サービス」から構成されるコアインフレ率(注1)は前年同期比7.47%で、前期比でも0.50%上昇している(添付資料図2参照)。

非コアインフレ率は前年同期比9.13%、前期比0.49%だった。特に「畜産物」が前年同期比15.12%、「野菜・果実」が13.29%と大きく上昇した。「エネルギー」は5.84%の上昇にとどまっており、連邦政府が実施しているガソリンとディーゼルの価格上昇を抑えるための生産サービス特別税(IEPS)を通じた家計補助政策が功を奏していると考えられる(注2)。

2022年6月前半に前期比で物価が上昇した品目を寄与度順にみると、「ジャガイモ・根菜類」(前月比16.8%)、「鶏肉」(2.28%)、「電気代」(2.59%)、「清涼飲料水」(1.13%)、「オレンジ」(13.13%)となっている。「鶏肉」は輸入のほとんどが米国産だが、2022年2月以降、米国で鳥インフルエンザが拡大(2022年4月7日記事参照)していることが鶏肉価格の上昇の背景にあると考えられる。

中銀はインフレ率上昇の収束を2023年第3四半期と見込む

メキシコ中央銀行が6月23日に発表したインフレ率見通しによると、2022年第3四半期(7~9月)にインフレ率(年間)は8.1%に達し、インフレ目標である3%±1に収まるのは2023年第3四半期(3.5%)と見込んでいる。中銀が2022年3月24日に発表した見通しでは、2022年のインフレ率上昇のピークは第1四半期(1~3月)で予測値は7.2%、インフレ目標内の3.4%に収束するのは2023年第2四半期(4~6月)と予測されていた(添付資料表参照)。

(注1)天候などにより価格変動が大きい農産品やエネルギー価格、政府の方針で決定される公共料金を除いた価格の指数。

(注2)燃料販売におけるIEPSの課税を、原油価格の上昇に応じて減額、あるいは免除し、全額免除しても燃料価格を抑えられない場合は課税額をマイナスとし、実質的な補助金を支給して価格を抑える措置。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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