北欧2カ国のNATO加盟に対するトルコの支持を歓迎、米・トルコ首脳会談

(米国、トルコ、スウェーデン、フィンランド、ロシア、ウクライナ)

米州課

2022年06月30日

米国のジョー・バイデン大統領は6月29日、NATO首脳会議へ参加のために訪問したスペイン・マドリードにおいて、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領と会談を行った。

ホワイトハウスが会談後に発表した声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、バイデン大統領は、トルコが6月28日にフィンランドおよびスウェーデンとの3カ国協定を締結し、両国のNATO加盟を支持することに合意(2022年6月29日記事参照)したことに歓迎の意を表明した。米・トルコの両首脳は、ロシアからの侵攻を受けるウクライナに対し、継続的に支援を行うこと、ならびにウクライナの穀物輸出に対するロシアの妨害を取り除くことの重要性について議論した。

米国防総省、トルコへの戦闘機売却の可能性を示唆

米国防総省のセレステ・ウォランダー次官補は6月29日に行われた記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、トルコに対するF16戦闘機の将来的な売却可能性について問われ、トルコの強力な防衛能力がNATO全体の防衛能力に貢献しており、同国の戦闘機の現代化が「NATOの安全保障、ひいては米国の安全保障に寄与するもの」とし、国防総省は、F16戦闘機の売却を通じたトルコの現代化計画を「全面的に支持」すると述べた。

トルコは2019年7月、ロシア製地対空ミサイル防衛システムS-400を配備したことをきっかけに、米国防総省のF35ジェットの共同開発プロジェクトから外されていた(2020年12月23日記事参照)。その後、トルコは新規のF16戦闘機20機と旧型のF16戦闘機80機分の改修用キットの購入を求めていたが、北欧2カ国のNATO加盟をめぐる交渉の中で、トルコ側は加盟を支持する見返りとして、米国に対してF16戦闘機の売却を求めることはなかったと米政府高官が述べたことが報じられている(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版6月29日)。

(滝本慎一郎)

(米国、トルコ、スウェーデン、フィンランド、ロシア、ウクライナ)

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