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米国がロシア製ミサイル導入のトルコに制裁

(トルコ)

イスタンブール発

2020年12月23日

米国のトランプ政権は12月14日、トルコが2019年にロシア製の地対空ミサイル防衛システムS-400を配備したことをめぐり、トルコ大統領府国防産業庁(SSB)の武器調達部門に対する制裁を発表した。

SSBに対する制裁内容は、米国務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、「敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)」12項目のうち以下の5項目となる。

  1. SSBに譲渡された商品または技術に対して特定の米国の輸出許可および許可を付与することの禁止
  2. 米国の金融機関によるSSBへの12カ月間で合計1,000万ドル以上の融資の禁止
  3. SSB向けの輸出に対する米国輸出入銀行の支援の停止
  4. 国際金融機関に対するSSBに利益をもたらす融資停止の要求
  5. SSBのデミル長官、イート副長官ら幹部4人に対する資産凍結とビザ制限

トルコ政府は2019年、北大西洋条約機構(NATO)の理念・利害に反するとの米国の警告にもかかわらず、S-400の導入を強行した。その結果、トルコは米国防総省のF35ジェットの共同開発プロジェクトから外された。米議会が求めたCAATSAの適用はトランプ大統領によって先送りされていたが、トルコ軍は2020年10月、NATOの脅威にはならないとしてS-400の試射を実施していた。

マイク・ポンペオ米国務長官は「トルコは米国と連携し、S-400の問題を直ちに解決するよう強く求める」としたが、ロイターの報道などによれば、トルコのメブリュト・チャウシュオール外相は12月17日に「S-400導入に後戻りはない」とし、米国の制裁を精査・検証した上で対抗措置を講じる、と主張した。

市場では、制裁対象が経済執行機関や金融機関に及ばなかったことから、大きな動きはみられなかった。一方、トルコでの報道は、制裁の影響を限定的で軽微なものとする評価と、近年、輸出産業としても急成長している国防産業への中長期的な悪影響は計り知れないとの評価に分かれている。一般的な経済問題としては軽微とみることは可能だが、ライセンスや電子部品の調達など輸入依存度が高い国防産業にとっては、制裁の長期化は大きな打撃にもなりえる、との専門家の意見を紹介する報道もある。加えて、バイデン新政権の誕生後に状況に改善がみられなければ、制裁の拡大・更新もあり得ることから、外国企業がトルコの国防ビジネスへの積極的な関与に躊躇(ちゅうちょ)する可能性もある。

(中島敏博)

(トルコ)

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