増加傾向にある新型コロナ感染者数、ワクチン接種は進む

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年06月22日

バングラデシュ保健サービス総局(DGHS)の6月21日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同国の19日の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は596人、陽性率は7.3%だった。2022年2月以降、感染状況の改善がみられ(2022年4月6日記事参照)、経済・社会活動の平常化が進んでいるが、新規感染者が約80日ぶりに100人を超えた6月12日以降は陽性者数・陽性率ともに増加傾向にあり、経済活動に水を差す可能性がある。直近では閣僚や経済団体幹部の感染なども確認されており、陽性率が7%を超えるのは約4カ月ぶりとなる。あらためてマスク着用やソーシャルディスタンス維持など感染対策の徹底が必要だ。

他方、新型コロナワクチンの接種は着実に進んでいる。バングラデシュは世界保健機関(WHO)などが立ち上げた「COVAXファシリティー」を通じ、これまで日本を含む諸外国から1億9,000万回分以上のワクチン供与を受けており、同ファシリティーによる最大の供与先国(全体の62%以上)となっている。2022年2月末には政府目標である全人口の70%に相当する約1億1,922万人向けに1回目接種完了を達成した(2022年3月2日記事参照)。2回目接種完了も目標対象者の99.5%とほぼ達成しつつある状況だ。2回目接種完了者のうち、23%はブースター接種も完了している(6月19日時点)。

首都ダッカをはじめとする主要病院の病床占有率は50%を下回っており、同日時点で逼迫した状況はみられないものの、今後の感染状況に応じて、情勢の変化を注視する必要性がありそうだ。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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