政府が「体質改善による経済飛躍」で改革推進

(韓国)

ソウル発

2022年06月24日

韓国企画財政部が6月16日に公表した「新政権の経済政策方向」(2022年6月21日記事参照)の4つの柱のうち、「体質改善による経済飛躍」の主な施策を以下のとおり紹介する。

この柱には、公的部門・年金や、労働市場、教育分野の改革や、産業面では金融やサービス産業の革新などの内容を盛り込んでいる。

1.公的部門・年金改革

財政・公的機関・公的年金など公的部門に対する構造改革を推進する。

(1)国家財政戦略会議を通じ、財政基調を健全財政に全面転換し、新たな財政運用システムを構築する。

(2)財政の中長期的な持続可能性の確保に向けた「財政ビジョン2050」(仮称)を策定・推進する。

(3)財政リスクの高い機関(注1)への集中管理制を導入、健全化計画を策定し、管理を強化する。

(4)国民年金基金の長期収益性の向上のため、2023年下半期までに国民年金改善案を策定し、公的年金改革委員会を通じ、議論を進める。

2.労働市場の改革

効力的な労働時間・賃金体制の改編を通じ、急変する労働環境に柔軟に対応する(注2)。

(1)週52時間労働制の枠内で管理運用方法の改善を進める。

(2)2022年下半期に勤務時間制度の改善策を策定し、改正法案を国会に提出する。

(3)未来志向的な労働市場の構築のため、経済社会労働委員会内に利害関係者、専門家などで構成する協議体を設置する。

3.教育改革

現場の需要を反映した未来を先導する革新人材の育成が可能となるよう、教育パラダイムの大胆な転換を進める。

(1)先端分野の人材育成を阻害する規制の見直しを行い、2022年下半期に大学の先端分野の定員の拡大策を設ける。

(2)全省庁の協業推進体制を構築し、先端分野の人材育成対策を設ける。

4.金融革新

デジタル革新・実体経済のダイナミックな成長を支え、金融の信頼性向上などの規制や制度の再整備を進める。

(1)「金融規制改革タスクフォース」(仮称)を中心にデジタル転換、ビッグテック、気候変動などへの対応のため金融安定化策を進め、課題を発掘し、解決する。

(2)コリア・ディスカウント(注3)要因の解消を通じた資本市場の再活性化の基盤づくりを進める。

5.サービス産業の革新

大胆な規制革新を進め、サービス業の実情に合った支援を強化し、生産性の向上につなげる。

(1)コンテンツや観光、保健医療など有望サービス分野の規制を調査し、課題を発掘、解決する。

(2)「サービス産業発展基本法」の抜本的見直しと立法化を推進する。

以上の施策はそれぞれ重要だが、韓国企業は特に労働市場の硬直性に対して不満が大きい。主要先進国と比較しても、韓国の労働市場は柔軟さに欠けているとの見方が根強い(2020年11月30日記事参照)。労働市場の改革に対しては、労働組合などの反対が予想されるだけに、どこまで踏み込めるのか注目されよう。

(注1)事業・財務リスク情報などを基に中長期的財務管理計画を作成した機関のうち、約10機関を選定。

(注2)2022年6月中に推進対策を確定する。

(注3)金融市場で韓国企業が低評価される現象。

(当間正明)

(韓国)

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