三菱重工、米グリーン水素のエレクトリック・ハイドロジェンへ出資

(米国、日本)

ヒューストン発

2022年06月24日

三菱重工業は6月23日、米国統括拠点である米国三菱重工業を通じ、産業規模での安価なグリーン水素(注1)の製造を目指す米国のエレクトリック・ハイドロジェン(本社:マサチューセッツ州ネイティック)に、ビル・ゲイツ氏が設立したファンドである米国ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズ、ノルウェー石油大手エクイノール、米国流通大手アマゾンなどとともに出資したと発表した。

エレクトリック・ハイドロジェンによると、鉄鋼、肥料、大陸間エネルギー輸送など電化が難しい産業の温室効果ガス(GHG)排出量は、世界のGHG排出量の3分の1以上を占めており、製造・利用過程で二酸化炭素(CO2)を排出しない大容量のグリーン水素は、これらの産業を脱炭素化するための有望な手段として期待されている。

エレクトリック・ハイドロジェンは、水をクリーンエネルギーで電気分解しCO2を排出せずに水素を製造する水電解装置分野において、水素の均質化原価(注2)を大幅に改善する可能性のある技術を開発しているとする。同社は、今回調達した資金を活用し、産業、インフラ向け大容量の大型グリーン水素装置の製造および実証プロジェクトを行い、商用化を加速させる計画だ。

三菱重工グループは、革新的技術を有するさまざまなパートナーへの資本参加や協業も行いながら、脱炭素社会実現に貢献する水素バリューチェーン構築に取り組んでいる。

同グループにおける最近の水素関係の取り組みとして、2022年6月9日に三菱パワー・アメリカが米国マグナム・デベロップメントと、ユタ州の産業用グリーン水素製造・貯蔵施設の開発事業について、米国エネルギー省から5億440万ドルの融資の債務保証を受けたと発表した(2022年6月20日記事参照)。2022年6月15日には、三菱パワー・アメリカは、米国の電力会社ジョージア・パワーと電力研究所とともに、米国ジョージア州にあるマクドノフ・アトキンソン発電所で、M501G型天然ガスだきガスタービンを使い、水素と天然ガスの混合燃料による燃焼実証試験に成功したと発表した(2022年6月20日記事参照)。

(注1)再生可能エネルギーを利用して、水を電気分解することで製造される水素。製造工程でCO2を発生させないため環境に優しいエネルギーとされる。

(注2)水素製造装置費用、運転費用などを含めライフサイクルでの費用から求める水素の単価を指す。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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