4月のASEAN主要国のインフレ率、シンガポールとフィリピンが上昇

(ASEAN、シンガポール、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ラオス)

バンコク発

2022年05月30日

東南アジア8カ国の4月の消費者物価指数(CPI)が出そろった。ジェトロが集計したところ、4月のCPI上昇率(前年同月比)は、タイでは4.7%とやや沈静化したが、シンガポールやフィリピンは5%前後と上昇傾向がみられた。

インドネシア、ベトナムは比較的低い水準にあるものの、徐々に上昇傾向となっている。マレーシアは2.3%とほとんど上昇がみられない。カンボジアやラオスは2021年をはるかに上回る水準になっており、ラオスが9.9%、カンボジアは2022年3月で7.2%となっている(添付資料表参照)。

これまでの月次でのインフレ率の推移をみると、フィリピンは2021年中も4%前後だったため、直近の5%水準についても差異は大きくないが、シンガポールやタイについては2021年初頭では0%前後であり、直近の5%前後のインフレ水準とは、1年余りで高低差が激しい(添付資料図参照)。

シンガポールでは、自動車購入時に取得が義務付けられている自動車所有権証書(COE)やガソリン価格の上昇により、民間輸送費が上昇。住宅賃料など住宅関連費も上昇している(2022年4月15日記事参照)。シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行)は金融引き締めの方針を発表している。

フィリピン中央銀行(BSP)は原油価格動向について注意深く見ていくとした上で、国内物価が上昇していることを認めつつ、政策金利の引き上げといった金融政策ではなく、直接的に供給サイドに働きかける政策を継続していくとする(2022年5月9日記事参照)。

ASEANの中でも特に物価上昇が激しいラオスでは、通貨安、外貨不足、ガソリン不足といった問題が顕在化している。ラオス中央銀行が通貨供給量の管理を強めるとともに、政府も国民に対して国産品の購入と不必要なサービス消費の抑制を呼び掛けている(2022年5月19日記事参照)。

(北見創)

(ASEAN、シンガポール、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ラオス)

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