上海日系製造業の91%が稼働率3割以下、封鎖から1カ月の状況を上海日本商工クラブが実態把握

(中国)

上海発

2022年05月06日

上海日本商工クラブ(注)は5月5日、上海市封鎖管理による事業への影響等に関する実態把握(第2回)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの結果を公表した。4月15日に公表した第1回実態把握(2022年4月19日記事参照)以降、操業・生産再開の進展や新たな問題が発生しているか把握するべく、4月27~30日にかけて実施したもの。上海日本商工クラブの各業種別部会正副部会長、正副分科会長、各地域連絡会正副会長、事業環境委員会メンバー会社、製造業関連企業のうち100社から回答を得た。

上海市では4月1日から全域で封鎖管理を行っているが、80%の企業が封鎖に合わせ工場の操業を停止したと回答。その後、操業再開に向けた動きもみられるが(2022年4月18日記事参照)、本実態把握時点で操業許可を取得している企業は37%にとどまった。本実態把握時点における在上海の日系企業の工場稼働状況は、未稼働(63%)、3割以下の生産水準(28%)とする回答を合わせると、91%がこの1カ月間ほとんど稼働できていない。

操業率回復に向けた課題として「物流の回復」(89%)、「従業員の確保」(81%)、「従業員の宿泊施設確保」(70%)が回答の上位を占めた。操業回復を通じ、生産の遅れを挽回すると回答した企業は96%にのぼる一方、日本拠点での代替生産と回答した企業は35%、第三国拠点での代替生産は17%にとどまった。しかしながら、生産の全量の取り戻しは困難であり、他社への転注(顧客が注文を自社から他社へ切り替えること)を懸念する声も寄せられた。

一方、上海市外に所在する自社工場についても、計画通り生産できていると回答した企業は14%であり、半分以下の生産水準にとどまっているとの回答が合計で72%にのぼった。操業率回復に向けた課題としては「物流の回復」(71%)に加え、「サプライヤーの操業回復」(57%)が挙がった。

物流面の影響も深刻

封鎖管理に伴う高速道路封鎖やトラック運転手の不足等は物流面に大きな影響を与えている。上海市外との中国国内物流について「必要量の3割以下しか手配できない」(42%)、「全く手配できない」(35%)との回答が8割近くに達した。また、上海市内の物流について、56%の企業が「全く手配できない」と回答した。

国際物流について、「全く手配できない」(43%)、「必要量の3割以下」(27%)との回答が7割に達した。上海の封鎖措置を受けて、中国他地域の港(空港)を代替利用する動きも広がっている。代替先の港(空港)をみると、浙江省寧波、杭州に加え、広東省広州、天津など、広範囲に代替先を求めている。一方、商品の特殊性、登録上の問題などから、他港を代替利用できないとする声もあったほか、倉庫が稼働していないため入出庫ができず、輸送や納品が遅延している事例もあった。

駐在員の臨時帰国・避難を予定・検討すると回答した企業は11%で、帯同家族は17%となった。また、勤務体制については、全面在宅勤務(79%)が多数を占めたが、一部泊まり込みの対応(20%)を実施する企業もあった。

オフィスの封鎖や銀行業務が一部停止していることで、給与支払い、取引先への送金、売掛金の回収ができないなどの事態も発生しており、事業運営に影響を及ぼしている。封鎖管理中の市内移動は難しく、病院や空港に向かう許可を申請することや移動手段の確保が困難との回答も多く寄せられた。また、封鎖管理開始から1カ月以上経過しており、食料調達も十分ではないことや終わりが見えない状況から、不安やストレスを感じ、心身への影響を懸念する声も少なくない。

(注)上海に所在する日系企業等により構成。会員数は2,331件(うち、法人会員2,216社、個人会員115人、2020年12月末現在)。

(岸本優子)

(中国)

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