未成年者にオンライン配信でのギフティングを禁止

(中国)

武漢発

2022年05月19日

中国の中央精神文明建設指導委員会弁公室、文化旅行部、国家広播電視総局、国家インターネット情報弁公室は5月7日、「オンラインライブ配信ギフティング(注1)機能の規制と未成年者の保護の強化に関する意見」を発表した。「意見」では、オンラインライブ配信の規範強化を通じて、未成年者の健全な育成に良好な環境を整備すべく、配信プラットフォームに対し、以下のような措置の実施を求めている。

  1. 未成年者によるライブ配信でのギフティングを禁止する。
  2. 16歳未満の未成年者へのオンライン配信サービスの提供を禁止する。16歳から18歳の未成年者は保護者の同意を得る必要がある。
  3. 未成年者に適したコンテンツを選別する「青少年モデル」を最適化、高度化する。
  4. 未成年者関連の苦情などに対応する未成年者専用のカスタマーサービスチームを設立する。
  5. 「意見」発表後1カ月以内に、配信プラットフォーム内のギフティング金額に基づくランキングを取り消し、ギフティング金額に基づくオンライン配信者のランク付け、誘導、サジェストを禁止する。
  6. 青少年がインターネットにアクセスするピーク時間(午後8時~午後10時)に「連麦PK」(生中継のコラボ放送、注2)は2回を超えてはならない。「連麦PK」の放送企画として罰ゲームを禁止する。

上記以外にも、「意見」では、学校には未成年者向けのネットリテラシー教育を奨励し、保護者に対してはインターネット関連知識を学習、未成年者への情報モラル教育、監督などを強化するよう求めている。

清華大学公共管理学院の張楠准教授は「近年、新たなかたちのオンラインライブ配信が急速に出現し、未成年者のギフティングや払い戻しによる消費トラブルが頻発していることを多くの保護者が強く指摘している」とした上で、「『意見』は国民の要求に応え、オンラインライブ配信の払い戻しメカニズムを健全化し、消費者トラブル業務の効率化を図るもの」と説明している(「人民網」5月12日)。

相次ぐ未成年者への制限

中国は近年、インターネットやゲームなどの分野で、未成年者への制限を強めている。

国家新聞出版署は2021年8月30日、「未成年者のオンラインゲーム依存を防止するための管理強化に関する通知」を発表、9月1日以降、全てのオンラインゲーム会社による未成年者へのサービス提供時間について、金・土・日曜日と法定休日の午後8~9時の1時間に限定した(2021年9月13日記事参照)。

中国の国家広播電視総局と共産党中央宣伝部出版局が4月15日に発表した「動画サイトでのゲームライブ配信の管理強化に関する通知」でも、ゲームライブ配信を行うプラットフォームに、実名制の導入や未成年者による課金の禁止などを通じて、未成年者保護のメカニズムを確立するよう求めている(2022年4月19日記事参照)。

(注1)インターネット上で配信者に対して金銭などを送る行為。金銭を送ることで配信者を応援したり、配信者とコミュニケーションを取ったりすることができる。いわゆる「投げ銭」や「スパチャ」はギフティングの一種。

(注2)「連麦」とは「2人でマイクを連結する(2人でコラボ配信する)」という意味で、1つのライブ配信アカウント内で別のアカウントのライブ配信者と一緒にコラボレーション配信を行うことを指すネット用語。「PK」とは、「コラボ配信中に一定のルールにのっとってゲームを行うこと(対決すること)」で、負けた場合罰ゲームが科されることもある。

(楢橋広基)

(中国)

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