未成年者のオンラインゲーム利用時間の制限を強化

(中国)

北京発

2021年09月13日

中国国家新聞出版署は8月30日、「未成年者のオンラインゲーム依存を防止するための管理強化に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同通知では、未成年者(注)のオンラインゲーム利用時間を制限すること、ゲームユーザーの実名による登録・ログインを徹底すること、各レベルの管理部門による監督・検査を強化することなどが打ち出された。

具体的には、9月1日以降、全てのオンラインゲーム会社の未成年者へのサービス提供時間について、金・土・日曜日と法定休日の午後8~9時の1時間に限定するとした。また、全てのオンラインゲーム会社は、ゲーム依存防止を目的とした実名認証システムを導入し、全てのゲームユーザーは実名による登録やログインを必須とした。

このほか、各レベルの管理部門は、企業が提供しているゲームサービスの時間帯や時間の長さ、実名による登録・ログインの徹底などについて、検査の頻度を高め、対応が不十分な企業に対しては厳格に対処するとした。

国家新聞出版署は2019年11月19日、「未成年者のオンラインゲーム依存の防止に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、未成年者のオンラインゲーム利用について、法定休日は3時間以内、それ以外の日は1時間半以内に制限していた。今回の通知では、ゲーム依存が未成年者の健康に影響を及ぼしているとの懸念の広まりを受け、規制をさらに強化したとしている。

今回の通知について、未成年者のユーザー比率が高いオンラインゲーム会社は注意が必要という見方がある一方、未成年者は主要な課金ユーザーでないため、影響は限定的とする見解もみられる。他方、未成年者のゲーム依存が懸念される中、こうした取り組みが業界のスタンダードになれば、今後、ゲーム業界への批判などの防止につながるとの声もある(「経済観察報」8月31日)。

なお、中国インターネット情報センター(CNNIC)が発表した「2020年全国未成年者インターネット利用状況研究報告PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」によると、未成年者のうち、オンラインゲームを利用する人は全体の6割を超えており、うち、平日に2時間以上モバイルオンラインゲームを利用する未成年者は全体の13.2%を占めている。

(注)通知によると、未成年者は18歳未満の国民を指す。

(張敏)

(中国)

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