モスクワが2030年万博への立候補を取り下げ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年05月26日

ロシア政府は5月23日、2030年の国際博覧会(万博)へのモスクワの立候補を取り下げたと発表した。ミハイル・ミシュスチン首相は主催団体である博覧会国際事務局(BIE)に対し、立候補取り下げとともに、国際展示事業がロシア批判を推進する国によって政争の具にされたことへの遺憾の意を書面で伝えた。外務省も声明を発表し、西側諸国の反ロシアキャンペーンの影響によって公正・公平な評価が見込めないとし、自発的に取り下げたと説明した。政府は2021年5月にモスクワを開催候補地として立候補、万博誘致を積極的に行っていた(2021年5月10日記事2021年12月13日記事参照)。

5月4日にポーランドのワルデマール・ブダ開発・技術相は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を踏まえ、候補地の1つのモスクワを除外すべく、BIEに働きかけるとの立場を示すとともに、同じく候補地のウクライナのオデーサ(オデッサ)への支持を表明していた。

ロシアが立候補を取り下げたことで、2030年万博の候補地はオデーサ、釜山(韓国)、ローマ(イタリア)、リヤド(サウジアラビア)の4都市となった。最終的な開催地は2023年後半にBIE加盟国の投票によって決定される。

(菱川奈津子)

(ロシア)

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