ホーチミン市都市鉄道1号線、全ての車両が到着

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年05月17日

ベトナムのホーチミン市で建設中の都市鉄道1号線(ベンタイン~スオイティエン)で使用する車両が5月6日、同市4区のカイホイ港に到着した。車両は2020年10月(2020年10月21日記事参照)以来、7回に分けて輸送され、今般の到着により配備予定の17編成分、計51車両がそろった。5月6日付の複数の現地紙が伝えた。

今回到着した車両は2編成分の計6両(1編成3両)。1編成につき930人の乗客を輸送することができ、最高速度は地下で時速80キロ、地上で時速110キロ。本車両はホーチミン市の直轄市であるトゥドック市所在のロンビン車両基地(デポ)に移送された後、走行試験が実施される予定(「トイチェ」紙5月6日)。

同都市鉄道の建設プロジェクトの投資総額は43兆7,000億ドン(約2,447億円、1ドン=約0.0056円)で、全長19.7キロ、1日300本の運行を見込む。新型コロナウイルスの影響で当初の計画より遅れが生じているが(2021年5月19日記事参照)、90.5%の工程を完了。

設置される14駅(地上駅11、地下駅3)について、3つの地下駅のうち2駅が基本的に工事を完了し、残り1駅は建設の途中にある(「VNエクスプレス」紙5月6日)。

ホーチミン市都市鉄道管理局(MAUR)のグエン・クオック・ヒエン副局長は「最後の車両が到着したことにより、都市鉄道の建設プロジェクトは新たなステージに入る」と述べた。

ベトナム政府は、ホーチミン市を含む5つの中央直轄市に、2030年以降の二輪車通行制限に向けた検討を指示しているところ(2022年4月13日記事参照)、同市の急速な人口増加に伴って交通渋滞や大気汚染が深刻化する中、都市鉄道の建設により状況を改善することが期待されている。

写真 車両が陸揚げされる様子(ホーチミン市都市鉄道管理局提供)

車両が陸揚げされる様子(ホーチミン市都市鉄道管理局提供)

(児玉良平)

(ベトナム)

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