インドネシアがウクライナをG20サミットに招待

(インドネシア、米国、ロシア、ウクライナ)

ジャカルタ発

2022年05月06日

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は4月27日、自身の公式SNS(ツイッター)で、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領からバリ島で開催されるG20サミットへの出席を招待されたと発表した。インドネシア外務省のテウク・ファイザシャ報道官は、ジョコ大統領がゼレンスキー大統領を招待したかどうかについて問われ、「外相が協議を行い、その結果をジョコ大統領に報告した」として、協議の相手など詳細については明言を避けている(「ジャカルタ・ポスト」紙4月27日)。

また、ジョコ大統領は4月28日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行い、2国間関係やウクライナ情勢について話し合いを行った(クレムリン4月28日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ロシアのG20サミット出席についても話し合いが行われたとみられ、会談の後、ジョコ大統領は「プーチン大統領は、G20サミットの招待に感謝の意を表し、出席する予定だ」と明言した(「detik.com」4月29日)。

ウクライナ、ロシアのG20サミット出席を巡っては、米国のジョー・バイデン大統領が、G20の枠組みからロシアを排除することに賛同しない場合は、同様にウクライナも会議に招待すべきだとの考えを示していた。これに対しインドネシアは、国会第1委員会のアルマニ・トワフィ議員が議長国単独で判断すべき事項ではないとするなど、明言を避けていた(2022年3月30日記事参照)。しかしながら、4月20、21日に米国・ワシントンで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議には、ジョコ大統領の招待により、ウクライナのセルヒ・マルチェンコ財務相が出席するなど、インドネシアはロシアとウクライナ双方の出席を促している(2022年4月25日記事参照)。

ロシアとウクライナのG20サミットへの出席について、米国・ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は4月29日、「(バイデン)大統領は、プーチン大統領のG20出席に反対を表明している。ウクライナの出席・招待を歓迎している」「ロシアがG20の一部であるべきではない」とし、引き続きロシアのG20サミット出席に反対の姿勢を示した(「ホワイトハウスウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」4月29日)。

(尾崎航)

(インドネシア、米国、ロシア、ウクライナ)

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