広東省の製造業企業、上海の封鎖管理で影響も足元の稼働率は回復

(中国)

広州発

2022年05月27日

中国・上海市における新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4月末から5月中旬にかけて、華南地域でも日系企業の操業に大きな影響が発生した(2022年4月13日記事4月14日記事参照)。

その後、華東地域で生産活動が徐々に回復していることを受け、華南地域の日系企業の稼働率も回復している。現地日系自動車メーカーによると、5月16日の週から、全ラインで通常どおりの操業が再開し、平常どおりの稼働率に戻ってきているという。

上海市の封鎖措置および分区管理の影響で滞っていた物流も改善傾向にある。現地日系物流業者によると、広州、深センの空港では、上海市でのコロナ感染の影響で、代替貨物の取り扱いが集中したことにより、オペレーションの遅延が発生していたが、華東地域の空港の稼働率が正常に戻る中で、滞留していた貨物の処理も進み、ほぼ平時に近い状態に戻っている(5月26日時点)。他方で、前述のとおり、華東地域での生産停滞により広東省企業の生産に影響が出たことにより、香港発の航空貨物輸送の需要が落ちているという。

華南地域の日系自動車部品サプライヤーの稼働率は回復してきているが、資金繰りの悪化は継続している(2022年5月2日記事参照)。現地日系金融機関によると、ティア2、3のサプライヤーの中には、完成車メーカーへの部品納入は回復しつつあるものの、売掛金の回収には時間がかかることから6月末に資金がショートする恐れがある企業も出てきている。

(田中琳大郎)

(中国)

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