新型コロナ感染長期化で物流に影響、上海の感染拡大で広州・深センの航空貨物急増も

(中国)

広州発

2022年04月13日

中国広東省の広州市衛生健康委員会は4月12日、同市で4月8日から12日午後3時までに確認された新型コロナウイルス新規感染者数(無症状感染者を含む)が74人だったと発表した。感染拡大を受けて11日から同市の白雲区、越秀区、花都区、増城区、海珠区の一部地域で封鎖管理を実施している。

PCR検査は4月8日から市内全域(全11区)で実施している。また、同委員会は10日の記者会見で、中央政府の指示に基づき、展示施設(琶洲国際会展中心)を利用して約3,450床の仮設病院の設置を進めていると発表した。

広東省外からの貨物トラック運転手の感染が確認されたことを受け、広州衛生健康委員会は4月3日、省外からの貨物トラック運転手に対する防疫措置の強化を発表。運転手は広州市に入る24時間前に車両ナンバーや到着時間、名前などを到着予定地の作業場に報告するほか、高速道路出入り口や作業場での体温測定の実施、「健康コード」の確認などが求められる。また「3天2検」(3日に2回PCR検査を受けること)が必要とされ、「行程コード」にアスタリスクがついた(注)場合は、さらに3~14日間の自宅隔離が課される。

4月11日午前0時からは鉄道や長距離バス、空港を利用して市外へ移動する人に対して、「健康コード」と「行程カード」の確認のほか、48時間以内のPCR検査陰性証明書の所持を義務付けた。

物流にも影響が出ている。現地日系物流企業によると、深セン~香港間のトラック輸送の稼働率が引き続き大きく低下していること(2022年4月1日記事参照)に加え、上海の都市封鎖により浦東国際空港の代替先として深センや広州の空港の貨物が急増しているという。また、広州市内の感染拡大を受けて空港職員の出勤に支障が生じる例もみられ、空港のオペレーションにも遅延が発生。航空貨物は通常のリードタイムから2~3日程度の遅れが生じている。

行程コードにアスタリスクがつくドライバーも増える中で、トラック輸送のドライバー確保も課題となっている。感染拡大が長引くことで影響がさらに深刻化することが懸念される。

(注)行程カードには、14日以内に滞在歴がある都市に「中リスク地域」「高リスク地域」が含まれる場合、アスタリスクがつけられる。

(梁梓園)

(中国)

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