深セン・東莞の操業はほぼ正常に、上海などの新型コロナ感染拡大でサプライチェーンに影響

(中国)

広州発

2022年04月11日

中国の広東省では、2月末から3月にかけての新型コロナウイルス感染者の増加を受け、深セン市で3月14~20日、東莞市で同月15~20日に封鎖管理を実施した(2022年3月16日記事参照)。21日に封鎖は解除されたが、同地進出の日系企業の約9割が操業・物流面で影響を受けた(2022年3月23日記事参照)。

封鎖管理が解除されて以降、深セン市や東莞市の市民生活はほぼ正常に戻っている。深セン市では公共交通機関を利用する際、72時間以内のPCR検査陰性証明の所持を義務付けるなどの防疫措置は引き続き実施している。一方、飲食店やショッピングモールなどの営業は再開。東莞市でも同様に、中リスク地域以外の場所では飲食店などの営業が再開されている。

物流面では、香港~深セン間のトラック輸送にマイナスの影響が引き続き発生している。現地日系物流企業によると、両地域間の越境トラックの台数(往復)は、新型コロナ感染拡大前(2019年)は1日当たり平均約4万8,000台だったが、香港の感染者数がピークアウトした現在も同570台に制限され、輸送のリードタイムが通常よりも1~2週間程度延びているという(4月8日午前時点)。

工場の稼働状況については、同地域の進出日系企業の操業はおおむね正常に戻っているものの、上海市の封鎖管理による影響を懸念する声もある。華東地域から4割の部品を調達している現地日系自動車メーカーでは、上海市内にあるサプライヤーの操業が制限されて供給量が減少しており、現在は確保した在庫で対応しているものの、封鎖管理が長引くことで今後生産への影響が出てくることを懸念している。また、上海市にあるティア2、ティア3サプライヤーの工場稼働が制限されていることで、蘇州市など周辺地域のサプライヤーの工場稼働にも影響が出ているという。

(田中琳大郎)

(中国)

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