中国の感染動向に変化、複数地域で同時発生、収束までの期間がより長期化するケースも

(中国)

中国北アジア課

2022年04月01日

中国国家衛生健康委員会の発表によると、3月30日の中国における新型コロナウイルスの新規感染者数は1,839人だった。

新規感染者数は、3月に入り増加が顕著となり、3月14日の3,602人をピークに足元では1,000~2,000人程度で推移している(添付資料図1参照)。ただし、中国の統計では、無症状感染者数は、新規感染者数の内数には含まれていない。3月中旬以降は無症状感染者数が急激に増加し、感染者数を上回る状況が続いている。30日の新規無症状感染者数は6,720人に上った。

また、新規感染者数に占める国内症例の割合をみると、3月12日以降は9割を超えており、3月30日には98.0%に達した。

3月30日の新規感染者数を地域別にみると、吉林省で1,340人と全体の72.9%を占め、上海市で358人と同19.5%を占めた。吉林省では3月11日から(2022年3月15日記事2022年3月22日記事参照)、上海市では3月28日から、それぞれ封鎖管理を実施するなど、防疫措置を強化している(2022年3月29日記事参照)。

中国政府はこれまで、「動態(ダイナミック)ゼロコロナ」政策(注1)を堅持しており、感染拡大が発生した地域で厳格な防疫措置を実施。感染を封じ込めてきた。

しかし、より感染力の高いオミクロン株への置き換わりが進む中で、2月中旬以降は感染拡大事例が複数地域で同時多発的に発生(注2)するなど、これまでの状況とは変化がみられる(添付資料図2参照)。

また、収束までにより長期間を要するケースもみられている。地域別(各省・自治区・直轄市別)の新規感染者数について、経済統計データベースのCEICで抽出可能な2021年8月20日以降の主な感染拡大例をみると、福建省(2021年9月)、陝西省(2021年12月~2022年1月)、河南省(2022年1月)などにおける感染拡大では、おおむね2~3週間で収束していた。一方、広東省(2022年2~3月)では収束に1カ月以上を要し、足元でも感染拡大が続く上海市(2022年3月~)も長期化している。

一方、ワクチン接種の進展もあり、3月30日時点の患者数2万8,599人のうち、重症患者数は66人とわずか0.2%にとどまる。死者数も極めて少ない状況が続いている。直近では3月18日に死亡例が発生したが、約1年2カ月ぶりだった。

こうした中で、中国の「動態ゼロコロナ」政策の行方に注目が集まるが、習近平国家主席は3月17日の党中央政治局常務委員会で、同政策を「堅持する」と強調。国務院の新型コロナウイルス防疫メカニズムも、3月22日の記者会見で「オミクロン株は重症率や致死率は低いが、感染力は強く、感染者数が増大すれば重症者、死者の絶対数が大きくなり得る」などと、同政策を継続する理由を説明している(2022年3月25日記事参照)。

(注1)中国政府は現在展開している「動態(ダイナミック)ゼロコロナ」政策について、国内の「感染者の発生をゼロにする」ものではなく、感染者の能動的かつ迅速な発見を行い、感染者に対して速やかに疫学的調査、診断、隔離、治療を行い、コミュニティー(社区)で持続的に感染が広がることを防ぐという防疫戦略だとしている。

(注2)2022年2月中旬以降、広東省、山東省、福建省、吉林省、上海市の4省・1直轄市で、1日当たりの新規感染者数が100人以上に達する感染拡大事例が発生した。

(小林伶)

(中国)

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