保健省、新型コロナ濃厚接触者の隔離を不要に

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年04月22日

ベトナム保健省は4月15日、公文書1909/BYT-DPで、新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者(F1)の医療隔離を不要とする新たな医療ガイダンスを出した。これまでF1は原則として、5日間の医療隔離の後、PCR検査または迅速抗原検査を行う必要があったが(2022年2月28日記事参照)、今回の文書により措置が緩和された。

同文書によると、F1は感染者と接触してから10日間、マスク着用や手洗い、消毒のほか、他者との密な接触を避けることや、家庭と職場、学校で使用する物を共有しないこと、混雑した場所に行くことを避けることが求められる。また、健康状態を自己観察し、感染が疑われる症状〔発熱、咳、倦怠(けんたい)感、悪寒、頭痛、喉の痛み、鼻水、嗅覚・味覚の低下・喪失など〕のうち、3つ以上の症状が出た場合は、医療機関への報告が必要となる。

なお、F1の該当条件のうち、感染者(F0)との接触に関する距離については、従来の「2メートル以内」から「1メートル以内」に変更した。これにより、F0が発生した場合のF1の対象範囲が狭まることとなった。

今回の文書では、F0に対する措置については特に記載がない。一部の省では無症状のF0の出勤を可能とするなど、独自に規制を緩和した動きもあるが(2022年3月18日記事参照)、全国的な運用としては、引き続き7日間の医療隔離が必要となる(注)。現地報道によると、保健省は今後、F0の隔離期間の短縮を検討するとしている(「VNエクスプレス」4月15日)。

(注)隔離7日目に迅速抗原検査を実施し、陽性の場合、ワクチン接種完了者については10日間、接種未完了者については14日間に隔離期間が延長される。

(阿部浩明)

(ベトナム)

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