ADB、コロナ感染拡大やウクライナ情勢など踏まえ、中国の成長率を下方修正

(中国)

中国北アジア課

2022年04月13日

アジア開発銀行(ADB)は4月6日に発表した経済見通しPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、2022年の中国の経済成長率見通しを5.0%と、2021年12月の前回発表時(5.3%)から下方修正した(2021年12月17日記事参照)。

同行は、中国経済が直面する国内サイドのリスクの1つとして、新型コロナウイルスの感染拡大とウイルスの変異が予測不可能な点を挙げ、こうした状況が消費需要の回復に影響をもたらすと指摘した。その他の国内サイドのリスクとしては、特に小規模銀行など金融システムにおける信用不安の高まりを挙げ、金融市場の一時的な緊張を誘発するような政策対応が必要になる可能性を指摘した。対外的なリスクとしては、ロシアのウクライナ侵攻や一時的な供給不足あるいは輸送停滞によるグローバルバリューチェーンの混乱を挙げた。

ポジティブな側面としては、2022年に商品輸出や家計消費の改善を通じたサービスセクターの回復、不動産政策の微調整を通じた市場の安定化を受けた住宅建設増加の可能性にも触れた。なお、2023年の中国の経済成長率については4.8%と予測した。

国連貿易開発会議(UNCTAD)は3月24日、貿易開発報告書の更新版を発表。この中で、2022年の中国の経済成長率見通しを4.8%と、2021年9月の前回発表時(5.7%)から0.9ポイント引き下げていた(2022年3月25日記事参照)。穀物価格の高騰、輸出と製造における混乱、新型コロナウイルス感染症の再流行などに伴う供給ショックの影響が中国経済の成長押し下げ圧力になると指摘した。

国家統計局と中国物流購買連合会が3月31日に発表した、2022年3月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.5となり、前月より0.7ポイント低下した。2021年10月(49.2)以来5カ月ぶりに、景況感の改善と悪化の境目となる50を割り込んだ(2022年4月4日記事参照)。非製造業のビジネス活動指数も48.4となり、前月から3.2ポイント低下し、2021年8月(47.5)以来7カ月ぶりに50を割り込んだ。国家統計局サービス業調査中心の趙慶河高級統計師は同日、「最近、国内の多くの地域でスポット的に新型コロナウイルスの感染拡大がみられる、加えて、国際的には政治面での不安定要素が明らかに増加しており、中国企業の生産経営活動が一定の影響を受けている」と指摘した。

(宗金建志)

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