中国の1人当たりGDP、あとわずかで「高所得国」入り

(中国)

北京発

2022年03月16日

国家統計局が2月28日に発表した2021年国民経済・社会発展統計公報によると、中国の2021年の1人当たりGDP(名目)は前年比8.0%増の8万976元(約145万7,600円、1元=約18円)となった。国家統計局の盛来運副局長の解説によると、2021年通年の人民元の対ドル平均レートで計算すると1万2,551ドルになった。2019年以降3年連続で1万ドルを上回った(添付資料図参照)。

国家統計局によると、中国の2021年の実質GDP成長率は前年比8.1%で、過去2年間の年平均成長率(注1)は5.1%となった(2022年1月19日記事参照)。また、名目GDPは約114兆4,000億元で、ドル換算では約17兆7,000億ドルだった(注2)。盛副局長は、2021年の中国の経済規模が世界経済全体の18%を超える規模となり、世界の経済成長に対する寄与率が25%前後に達し、1人当たりGDPは世界平均を上回るとの見通しを示した。

北京大学新構造経済学研究院の林毅夫院長は、中国の1人当たりGDPが世界銀行の分類する高所得国の基準に(注3)にあとわずかで到達するとし、早ければ2022年中に、為替レートの変動があったとしても遅くとも2025年までには高所得国入りするとの見通しを示した(「中国新聞網」3月3日)。なお、中国は2021年3月の全国人民代表大会で採択された「第14次5カ年(2021~2025年)規画および2035年までの長期目標綱要」において、2035年までに1人当たりGDPを中レベルの先進国並みの水準(注4)に引き上げることを目標としている。

中国政策科学研究会経済政策委員会の徐洪才副主任は、1人当たりGDPが高所得国に近づいている要因として経済構造の不断の調整、労働生産性の向上、技術レベルの向上などを挙げたうえで、さらなる所得の引き上げには効率性の向上が必要だとし、サプライサイドの構造改革を一段と推進し、国民の日増しに高まるニーズを満たすべく、中国製品の質的向上を図っていく必要があるとコメントした(「21世紀経済報道」2月28日)。

(注1)国家統計局の定義によると、2年平均伸び率とは2019年の同期を比較対象として幾何平均によって算出した伸び率で、2021年の実質GDPの2年平均伸び率は5.1%と発表されている。

(注2)2021年国民経済社会発展統計公報の公表値は114兆3,670億元。ドル換算値は国家統計局の盛来運副局長の解説による。

(注3)世界銀行は、1人当たり国民総所得(GNI)が1万2,695ドル以上の国・地域を「高所得国」と分類している。2021年国民経済社会発展統計公報によると、2021年のGNIは113兆3,518億元だった。

(注4)全国政治協商会議(国政助言機関)経済委員会の劉世錦副主任は、中レベル先進国は1人当たり所得3万~4万ドル程度の水準に相当し、それを実現するためには、今後15年間で平均4.7%程度の経済成長が必要になるとの見方を示している(2021年3月11日記事参照)。

(張敏)

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