2020年の1人当たりGDPは2019年に引き続き1万ドル超に

(中国)

北京発

2021年03月11日

中国国家統計局が2月28日に発表した「2020年国民経済社会発展統計公報」によると、2020年の1人当たりGDP(名目)は前年比2%増の7万2,447元(約115万9,200円、1元=約16円)となった(添付資料図参照)。

国家統計局の盛来運副局長は、2020年の名目GDPが前年比2.3%増の101兆5,986億元となり、初めて100兆元の大台に達し、主要経済国・地域の中で唯一プラス成長を実現した(

2035年までの中レベル先進国入りには年平均4.7%程度の経済成長が必要

3月5日に開幕された第13回全国人民代表大会(全人代)で審議されている「第14次五カ年規画および2035年までの長期目標要綱案」では、2035年までの主要目標として、1人当たりGDPを中レベルの先進国並みに引き上げるとした(2021年3月9日記事参照)。

同目標については、具体的な数値が示されていないものの、全国政治協商会議(中国人民政治協商会議全国委員会、国政助言機関)経済委員会の劉世錦副主任は、基本的に1人当たり所得が1万8,000ドル以上であれば先進国と見なされ、中レベルの先進国は1人当たり所得3万~4万ドル程度の水準であるため、同目標を達成するためには2035年までに1人当たり所得を倍増させることが必要になると説明した。その上で、それを実現するためには、今後15年間で平均4.7%程度の経済成長が必要となるとの見方を示している(「21世紀経済報道」3月8日)。同じく、全国政治協商会議経済委員会副主任を務める楊偉民氏も、中国が2035年までに経済総量あるいは1人当たり所得を倍増させるためには、今後15年間で年平均4.73%程度の成長が求められ、これを実現するためには需要や分配、生産、技術、開放などの構造を高度化することが必要になると指摘している(「新浪財経」2020年11月28日)。

(注)世界銀行によると、2019年の中国の1人当たりGDPは1万262ドルとなっている。

(張敏)

(中国)

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