米シンガポール首脳会談、インド太平洋経済枠組みの立ち上げで協力確認

(米国、シンガポール、ASEAN、ロシア、ウクライナ)

ニューヨーク発

2022年03月30日

米国のジョー・バイデン大統領は3月29日、ホワイトハウスでシンガポールのリー・シェンロン首相と会談を行った。会談後の共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、両国の戦略的パートナーシップの重要性を強調した。

バイデン大統領は共同声明で、政権が2月に発表した「インド太平洋戦略」(2022年2月14日記事参照)に言及し、インド太平洋地域の同盟国やパートナー国への継続的かつ拡大するコミットメントをあらためて表明した。両首脳は、バイデン政権が構想を練る「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の立ち上げで緊密に協力していくことを再確認した。また、2022年のAPEC議長国タイのリーダーシップを歓迎し、2023年に米国が議長国を務めることへの期待感を示した(2022年2月14日記事参照)。

2国間協力では、両国が2021年10月に署名した「成長・イノベーションパートナーシップ(PGI)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの下で経済協力を拡大するとした。新たな取り組みとして、倫理的な人工知能(AI)に関する相互運用可能な統治枠組みの開発や、先端製造業での協力強化などを挙げた。また、地域における質の高いインフラ開発や気候変動、重要・新興技術のサプライチェーンなどでの協力も約束した。

ウクライナ情勢について、両首脳は既に多くの複雑な課題を抱えるインド太平洋地域に悪影響を及ぼすと述べ、両国はロシアによるいわれのないウクライナ侵攻を非難し、ロシアに対する金融制裁や輸出管理を効果的に実施していくと記した。シンガポールはASEANで唯一、ロシアに対し具体的な制裁措置を取っている(2022年3月9日記事参照)。

その他の地域情勢をめぐっては、朝鮮半島の完全な非核化への共通のコミットを再確認し、ミャンマー情勢と地域の安定にもたらす課題に対する深い懸念も共有した。南シナ海を含む海洋秩序に関しては、国連海洋法条約などに基づく航行と上空飛行の自由をあらためて確認した。

今回の首脳会談が行われた3月29日には、もともと米国とASEANによる特別首脳会議が予定されていた。しかし、会議は延期され、バイデン政権高官は3月28日の記者説明会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで「ASEANと連携し、適切な日程を調整している」と説明していた。バイデン大統領は首脳会談後の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2022年春にワシントンでASEANとの特別首脳会議を開催したいとの意向を表明した。

(甲斐野裕之)

(米国、シンガポール、ASEAN、ロシア、ウクライナ)

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