2021年のGDP成長率は4.6%、前年より大きく回復

(ブラジル)

米州課

2022年03月25日

ブラジル地理統計院(IBGE)は3月4日、2021年の実質GDP成長率が前年比4.6%と発表した(添付資料表参照)。産業別にみると、農畜産業が0.2%減、工業が4.5%増、サービス業が4.7%増で、工業とサービス業が押し上げ要因となった。

IBGEの3月4日付のプレスリリースによると、サービス業が増加した理由は、情報サービス(12.3%増)、運輸・倉庫・郵便(11.4%増)、商業(5.5%増)、不動産(賃貸業を含む)(2.2%増)などによる。情報サービスについては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンライン決済や電子申請といったデジタル化がさらに進んでいることが影響を与えている。運輸・倉庫・郵便は、新型コロナウイルス感染拡大による規制が緩和され、人々の移動が活発化したなどことが、要因とみられる。国内最大の経済都市であるサンパウロ市では、2021年8月から規制が緩和され、商業施設の収容人数規制の緩和、営業時間制限の撤廃などが行われた(2021年8月20日記事参照)。

工業では、建設(9.7%増)が前年の6.3%減から大きく回復した。製造業も4.5%増となった。全国自動車製造業者協会(Anfavea)によれば、2021年の自動車生産・販売・輸出は、いずれも増加した。生産については、世界的な半導体および電気電子部品不足によりいくつかの工場は生産を一時停止したものの、それでも前年より11.6%増加した(2022年1月13日記事参照)。

農業は、干ばつや霜の影響により、主要な農産品の生産量が振るわなかったため、前年比で減少した。大豆は11%増と大きく増加したが、サトウキビ(10.1%減)、トウモロコシ(15%減)、コーヒー豆(21.1%減)などの生産が大きく減少した。

需要要素別にみると、全ての項目で増加した。特に、財・サービス輸入は12.4%増と、消費や生産活動が戻ってきたことから、前年の9.8%減から大きく回復した。

レベッカ・パリス国民経済計算コーディネーターは、サービス業が大きく増加した要因として「国内のIT化が進んでいる」ことを挙げている。このような電子化やデジタル化については、政府の後押しによる影響も大きい。ブラジル中央銀行が主導する即時決済システム「ピックス(PIX)」は、2020年11月から運用が開始されたが、運用開始から1年で、人口の62.5%に相当する1億440万人以上が「少なくとも1度はPIXを利用」しているようだ(現地紙「フォーリャ」2021年11月16日)。PIXは、異なる金融機関同士の支払い、振り込み、送金といった決裁手続きを、スマートフォンなどを通じて低コストで、24時間365日実施できるサービス(2020年12月1日記事参照)。国内でのユーザー数が急増している。

(辻本希世)

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