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中銀主導の即時決済システム「ピックス」(PIX)の運用を開始

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年12月01日

ブラジル中央銀行は11月16日、同行が開発した即時決済システム「ピックス」(PIX)の運用を開始したことを発表した。このシステムは、スマートフォンなどによる支払い、振り込み、送金などを低コストで、24時間365日実施できるものだ。

利用者にサービスを提供するのは、商業銀行や金融サービスを提供するスタートアップ(フィンテック)などの金融機関。中銀がデータベースや決済システムを一元管理し、異なる金融機関間の決済手続きが迅速かつ低コストで可能になる。従来の決済方法と異なるのは、支払う側も受け取る側も、口座情報を相手方に教える必要がない点だ。ID、メールアドレス、携帯電話番号などから自ら選んだ暗号鍵(通称:ピックス・キー)を伝えることで取引が成立する。個人の場合は原則として手数料がかからない。企業に対する手数料は各金融機関が定めるが、今まで低くなると見込まれている。

中銀のロベルト・カンポス・ネト総裁は、ピックスの大きなメリットは「金融包摂」(注)にあると述べている。従来の決済手続きではその構造上、仲介事業者が多く、送金手数料で高額な費用がかかり、小規模企業の参入を阻んでいたが、「ピックス」の導入により仲介事業者が減り、コスト面の障壁が低くなるという。さらに、現金の使用機会も減り、紙幣の印刷・運送コストを低減することが可能となり、政府や金融機関にとって財政面での節約効果が期待されるという。システムの安全性に関して、カンポス・ネト総裁は「安全なプラットフォームを構築した」と強調している。

ブラジル銀行連盟(FEBRABAN)の11月13日付のプレスリリースで、イザーク・シドネイ会長もピックスを評価し、顧客の利便性を念頭に「新システム導入のコストを惜しまなかった」と述べている。一方、オンラインメディア会社の「noomis(ノーミス)」の10月30日付のプレスリリースによると、FEBRABAN即時決済小委員会のイボ・モスカ氏は、システム自体は安全だが、「ピックス」の偽サイトなどを利用した詐欺も存在するため、顧客に正確な情報を伝え、注意を促す必要があると述べた。大手コンピュータセキュリティー会社のカスペルスキーによると、10月5日にピックスへの加入登録が開始されてから24時間以内に30の偽サイトが作成されているという。

(注)金融包摂:通常の金融サービスを受けられない人々が融資などの金融サービスにアクセスできるようにすること。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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