エネルギー大手ユニパー、ドイツ国内のLNGターミナル建設計画を再開

(ドイツ、ロシア、ウクライナ)

デュッセルドルフ発

2022年03月15日

ドイツのエネルギー大手ユニパーは3月7日、ロシアによるウクライナ軍事侵攻を受け、今後のロシア・ビジネスの方針を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2020年の同社の発電設備容量はドイツ国内の設備容量の7.9%を占め、国内5番手に位置付けられている。また、ロシアとの天然ガスパイプライン「ノード・ストリーム2」への出資や子会社を通じたロシア国内での発電所の運営、ロシア産天然ガスの輸入などでロシアと密接な関係を持つ。

ユニパーは、ロシアによるウクライナ軍事侵攻を「最も強い言葉で非難する」とし、ドイツ政府が承認手続きを停止した「ノード・ストリーム2」(2022年2月24日記事参照)について、出資した9億8,700万ユーロの減損処理をするとした。

また、ユニパーの出資比率83.73%であるロシア電力会社ユニプロについては売却する方針で、当面の間ロシアへの新規投資や同社への資金移動も行わないとした。ユニプロは、ロシア国内で5つの発電所を有し、発電容量は合計11ギガワット以上になる。ユニプロの2021年の営業利益は、ユニパーの同年の営業利益の20%弱に相当した。ユニパーは2021年末、ユニプロの売却手続きを開始したが、現状の影響により、売却を一時的に停止している。再び売却が可能になり次第、再開する予定。

このほか、ロシア産天然ガスの長期契約について、既存契約は継続する一方で、新規契約は締結しないとした。ドイツは国内で消費する天然ガスの90%を輸入に頼り、2021年はロシアからの割合が55%を占めた。ユニパーの天然ガス輸送事業のうち、長期供給契約は約370テラワット時(TWh)で、うち200TWhはロシアからの契約となっている。

エネルギー供給の多様化や安定供給の観点から、ドイツ向けの液化天然ガス(LNG)ターミナル建設再開についても発表した。ユニパーは以前、ドイツ北部のニーダーザクセン州のウィルヘルムスハーフェン市におけるLNG輸入ターミナルの建設を計画したが、同ターミナル建設計画への需要が低かったため、2020年11月に中止されていた。今回、ウクライナ情勢の考慮やドイツ政府からの要請により、同計画を再開した。なお、ウィルヘルムスハーフェン市のほか、ドイツ北部のシュレスビヒ・ホルシュタイン州ブルンスビュッテル市においても、エネルギー大手RWEなどがLNG輸入ターミナルの建設(2022年3月11日記事参照)をすることが決定している。

(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)

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