岸田首相、就任後初の2国間訪問としてインドを公式訪問

(インド、日本)

ニューデリー発

2022年03月22日

岸田文雄首相は3月19日から20日にかけ、就任後初の2国間訪問として、日本との国交樹立70周年を迎えたインドを公式訪問し、ナレンドラ・モディ首相と会談した。両首脳は経済や安全保障などの各分野でさらなる協力を推し進めることで合意し、共同声明「平和で安定し繁栄した新型コロナ後の世界のためのパートナーシップ」を発表した。

経済分野では、2021年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)でうたわれた全世界の排出量ネットゼロ達成に向け、日本とインド間でも電気自動車(EV)や、蓄電池を含むエネルギー貯蔵システム、EV充電インフラ、太陽光エネルギー、グリーンを含むクリーン水素・アンモニアなど各分野の成長を目指すとともに、エネルギー安全保障を目的とした新たな枠組み「日印クリーン・エネルギー・パートナーシップ(CEP)」の立ち上げも歓迎することを共同声明に盛り込んだ。日本からインドへの投資に関しては、今後5年間で官民合わせて5兆円を目標とすることで一致した一方、岸田首相からモディ首相に対し、日本企業のインドにおける円滑な活動のため、さらなる環境整備への支援を要請している。なお、農水産品の輸出入では、日本産リンゴのインドへの輸出解禁とインド産マンゴーの日本への輸出手続きの簡素化に合意した点にも言及した。

安全保障分野では、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、2国間の外務・防衛相が参加する協議「2+2」の次期会合の早期開催に両首脳が合意したほか、両国に米国、オーストラリアを加えた4カ国で構成するクアッド(QUAD)など複数国間のパートナーシップの重要性にも言及した。また、インドにとって重要な友好国であるロシア(2021年12月13日記事参照)に関し、国連安全保障理事会や国連総会でのウクライナ侵攻への非難決議でインドは棄権しているが、今回の共同声明では、両首脳はウクライナにおける紛争や人道的危機について深刻な懸念を示し、戦闘行為の即時停止や解決のための対話と外交の重要性を強調した。

スズキがグジャラート州政府とMoU締結

首脳会談が行われた3月19日は、ジェトロやインド工業連盟(CII)などが主催する日印経済フォーラムも両首脳が出席して開催された。フォーラムでは、モディ首相の出身州のグジャラート州でスズキが新たにEVやEV向け車載用電池の現地生産、車両解体・リサイクル工場の建設を行うことを発表、同社とグジャラート州政府との間で約1,500億円規模の投資に係るMoU(覚書)が締結された。インドで最大の乗用車市場シェアを持つマルチ・スズキは、豊田通商グループとともに車両解体・リサイクル事業を行う合弁会社を立ち上げており(2021年12月6日記事参照)、今回発表された車両解体・リサイクル工場は、ニューデリー近郊のノイダに続いて2カ所目となる予定だ。なお、インド重工業省は2月11日、EVや燃料電池車(FCV)の国内生産を対象とした自動車(完成車)分野の生産連動型優遇策(PLI)で、スズキの100%子会社スズキ・モーター・グジャラートを含む20社を承認企業として認定したことを明らかにしている(2022年2月17日記事参照)。

(広木拓)

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