ポストコロナのデジタル技術活用に関するワークショップを開催

(日本、APEC)

市場開拓・展示事業課

2022年03月10日

日本の経済産業省は3月4日、APECにおいて「ポストコロナ時代における貿易促進のニュー・ノーマルモデルの模索(New-Normal Model of Trade Promotion in the Post Pandemic Era)」と題したワークショップをオンライン形式で開催した。

本ワークショップは2022年APEC(2021年11月24日記事参照)の一環として経済産業省が主催したもので、APEC加盟21エコノミーの当局関係者を対象に、包括的・持続的な成長を確保するため、日本、カナダ、台湾、タイ、国際機関などがコロナ禍における見本市・展示会・商談会を中心に、デジタル技術を活用したベストプラクティスを紹介するとともに、貿易促進策についてパネルディスカッションを行った。

経済産業省アジア太平洋地域協力推進室の金箱賢太郎係長は、APEC域内を対象とした調査研究の結果(2021年10月27日付世界の見本市ビジネストレンド参照)を報告するとともに、「パンデミックを目的、目標の再設定の機会と捉え、政府と自治体が連携して、目標を達成するための最適なテクノロジー、サービス、アプローチの組み合わせを見つけ、民間セクターとともに新たな形態を模索すべき」と提言した。

日本から参加したジェトロ市場開拓・展示事業部の兒玉高太朗部長は、パネルディスカッションで「オンラインとリアル事業の効果検証とベストミックスの追求」と題して、ジェトロの海外展開支援策について次のとおり紹介した。

  • 2020年度に参加予定だったオンサイト見本市の8割以上が中止や延期となった。
  • オンラインプラットフォームへの出展、オンライン商談会の開催により、支援企業の裾野が広がり、商談成約率、成約・見込み金額が向上した半面、課題として時差が解消されない、成約件数は総じて落ち込む、オンライン化への対応力・利用習熟度が企業によってまちまちできめ細かいフォローが必要となった。
  • 現時点では、オンラインの課題を全て解消することは難しく、オンラインのメリットを最大化し、課題を最小化する実証プロジェクト「中国ハイブリッド型キャラバン事業」を実施している。今後は、事業改良を重ねつつ時差の影響が少ないアジア諸国への横展開も検討したい。
写真 兒玉市場開拓・展示事業部長のプレゼンテ―ションの様子(ジェトロ撮影)

兒玉市場開拓・展示事業部長のプレゼンテ―ションの様子(ジェトロ撮影)

(注)本ワークショップの配布資料および開催報告書は、各加盟エコノミー承認後に、APEC公式ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのMeeting Document DatabaseとPublicationsで公開される予定。

(皆川幸夫)

(日本、APEC)

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