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世界の見本市ビジネストレンド経済産業省、オンライン商談会等のベストプラクティスを探る

経済産業省は10月27日、APEC域内における、コロナ禍からの経済回復のための都市間の経済・貿易に関する施策に係る調査報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.3MB)を公表した。どのようなオンライン技術が展示会や商談会に有効か、APEC域内の自治体連携のベストプラクティスを調査・分析した経済産業省通商政策局アジア太平洋地域協力推進室の石川なな子総括課長補佐と金箱賢太郎係長に伺った。

経済産業省通商政策局アジア太平洋地域協力推進室
石川なな子 総括課長補佐
金箱賢太郎 係長

Q1:今回の調査を実施した背景は?
A1:APEC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは主要21の国と地域、例えば米国や中国、台湾、韓国、ASEAN諸国、豪州などが参加する地域経済協力の枠組みである。毎年開催される閣僚会議や首脳会議で共同声明が取りまとめられるほか、APECの中でのガイドラインを作ったり、ワークショップを行ってキャパシティビルディングやベストプラクティスを共有したりと、アイデアのインキュベーターとして具体的なプロジェクトが行われる場にもなっている。こうしたAPECにおいて、日本として何をしていくのかを考えた時に、コロナ禍にあって地方経済、地方都市の中小企業の皆様がこれまで対面で行っていたビジネスなどが難しい状況にあるのではないか?そういう地域、地方自治体レベルでデジタル技術を活用してどういった取り組みがなされているのだろうか?という問題意識から、コロナ禍からの経済回復に向けた政策立案のために調査研究を行なった。今回の調査では、日本国内の都市と海外の都市間の津々浦々の取り組みをヒアリングして、いくつかをベストプラクティスとして取りまとめている。
Q2:調査の結果、分かったことは?
A2:まず、オンライン技術はセミナーや会議、商談会などで広く活用され始めていて、導入効果も上がっている。ただ、商談会では重要な情報がなかなか伝わりにくいことが課題として上がっている。機密性も課題である。伝わりにくいという部分は動画やライブ配信、試食などのコンテンツを活用して臨場感を補っていくことが重要とされている。
展示会については、VR等を活用した完全なオンライン展示会は臨場感や、顧客の集中力の維持が課題になっていること、ハイブリッド展示会は商談などを現場で対応できないオンライン出展者が不利になることが多いという意見があった。
バーチャル観光は、ライブ映像や試食会と組み合わせたり、SNS、特にインフルエンサーによる告知や投稿、たくさんの人が使っているSNSのプラットフォームを組み合わせたりすることでイベントの成功につながったという事例が多かった。
ビッグデータやAIの活用は、地方自治体の取り組みでは進んでおらず、今後来場者情報を蓄積して、いかに商材に関連付けていくかが課題となっている。
都市間の貿易取引は、オンライン商談だけではなかなか契約に結びつかず、結局はリアルの面談、海外のネットワーク、人的な信頼関係があって成約する事例がたくさんあった。他方、越境ECは例外で、海外のネットワークを持たない中小企業でも成約に至るケースが報告されている。
アフターコロナでも、オンラインの低コスト、手軽さという良さを踏まえて、ハイブリッドの商談会、展示会が増加することが見込まれる。
Q3:商談会で機密性も課題とはどういうことか?
A3:オンライ会議室システムを使って個別商談をする際に、商談中のシステム的な不具合への対応・管理の観点から商談ルームにシステム担当者を配置したところ、商談当事者以外の人員がいると商談しづらいとのことで、なかなか活発な商談がされなかった。プラットフォームのシステム不具合等の懸念と活発な商談ができる環境づくりのバランスをどのように取るかが課題であると聞いている。
Q4:AIやビッグデータの活用が進んでない理由は?
A4:国境を跨いだ情報の移動、プライバシーの問題が大きいとみている。また、自治体が取り組む都市間連携では、大量のデータで学習したAIシステムがあるわけではないので、自治体で対応するのはなかなか難しいようだ。AIによる商談マッチングをするためには、AIに100万単位のデータを学習させることが必要ともいわれている。スケールの大きなイベント等で、精度の高いAIシステムが導入されている事例もあると思うけれども、都市間連携のレベルはまだそのフェーズには至っていないようだ。
Q5:業種や商材によってオンラインイベントの効果に差はあるのか?
A5:ライブ配信で臨場感が出せる観光、展示会に持ち込みができない建築や大型設備の機器などはオンラインイベントがかなり有効である。他方、味や匂いが重要な食品や飲食、触感が重要なアパレル、工業製品、実際に手で触ってその良さが分かる商品は、現時点ではリアルイベントが向いている。それから特許とか技術が関係する部品や商品、サービスなども機密性から、まだまだオンラインでの商談は嫌がられる傾向にある。
Q6:リアルが効果的な商材をオンライン上で伝えるにはどのような方法があるのか?
A6:リアルが効果的な商材をオンラインでどう伝えるかというのは大きな課題になっている。まず、オンライン上で写真や動画を使ってより精度の高い商品情報を共有して、なるべく実物が想像できるようにすることが考えられる。また、ECサイトでもアパレルなどを360°から見ることができるサービスがあり、こういったサービスやシステムを活用して、商材の情報を商談相手にオンライン上で伝えることも有効ではないか。
Q7:成約につなげるために、オンラインイベントをどのように使うと効果的か?
A7:ビジネス系のイベントでは、商品・企業・市場を紹介する初期段階から、関係構築、最終契約までを全てオンラインだけで行うのは難しく、適切なイベントを複数組み合わせることが効果的という印象を得た。初期段階にオンラインセミナー、途中の関係構築にオンライン商談会、最終契約はリアル商談で行うとか、最初の初期段階は展示会等をオンラインで開催して、最後の契約は越境ECで行うとか、あとB to Bネットワーキングで情報収集と関係構築をオンラインで行って、最終契約はまた別の形で実施するなどの工夫が効果的である。観光系のイベントも同様で、オンラインセミナーなどのイベントはオンラインでやりつつも、その後にハイブリッドなり、インバウンドの観光に繋げるような形で進めていくと、より効果的なのではないかと言う声が結構あった。
Q8:今回の調査結果をどのように活用していく予定か?
A8:今回の調査結果を踏まえて、さらに都市間連携だけではなくて、B to B、B to Cの先進的な取り組みや海外の都市間の取り組みについても調査をする予定である。本調査をもとに、来年、APECにおいて「ポストコロナ時代における貿易促進のニューノーマルのモデルの模索」をテーマにワークショップを実施し、日本はじめ各国のベストプラクティスの情報をシェアリングして、課題や対応策、成果、手法などについて議論していければと考えている。
(市場開拓・展示事業部 主査 皆川 幸夫)

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