イラン暦1401年の最低賃金を57.4%引き上げ
(イラン)
中東アフリカ課
2022年03月29日
イラン協同組合・労働・社会福祉省は3月13日、新年度となるイラン暦1401年(西暦2022年3月21日~)の労働者の最低賃金を発表
した。これにより、最低賃金は日額で139万3,250リアル〔約5.3ドル、1ドル=26万4,500リアル(発表日の市場レート)〕と、前年の88万5,165リアルに比べて57.4%引き上げられた。
最低賃金引き上げの背景には、物価の上昇がある。イラン統計センターは3月21日、1400年(2021年3月21日~2022年3月20日)の年間の消費者物価指数(CPI)上昇率を40.2%と発表した(2022年3月25日記事参照)。
イランでは、2018年の米国による経済制裁再開後にCPIが急上昇したことに伴い、近年、高い伸び率で最低賃金が引き上げられてきた。しかし、為替が大幅に下落していることから、最低賃金発表日の市場レートでドル換算すると、1398年(2019年3月21日~2020年3月19日)~1400年(2021年3月21日~2022年3月20日)の最低賃金は、1397年(2018年3月21日~2019年3月20日)の約7.8ドルの半分以下となっていた(添付資料表参照)。
ジェトロの「2021年度 中東投資関連コスト比較調査」でも、調査対象の中東5カ国(注)の中で、特にイランは賃金水準が低くなっている(2022年3月10日記事参照)。ただ、今回発表された1401年の最低賃金は、発表日当日の市場レートで換算すると約5.3ドルとなり、やや改善がみられる。
(注)アラブ首長国連邦、イスラエル、イラン、サウジアラビア、トルコの5カ国。
(稲山円)
(イラン)
ビジネス短信 38f9d1bbf8367154




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