イラン暦1400年の年間CPI上昇率は40.2%
(イラン)
中東アフリカ課
2022年03月25日
イラン統計センターは3月21日、イラン暦(注)1400年第12月(2022年2月20日~3月20日)の消費者物価指数(CPI)上昇率を前年同月比34.7%、1400年(2021年3月21日~2022年3月20日)の年間のCPI上昇率を40.2%と発表
した。
品目別に上昇率を前年同月比でみると、「食品・飲料」が40.8%、「衣類・履物」が46.3%、「ホテル・レストラン」が56.7%と、40%超の高い上昇率だった(添付資料表参照)。「食品・飲料」の中では、特に野菜・豆類(64.3%)、パン・穀物類(56.6%)、砂糖・菓子類(46.3%)の上昇率が高かった。
イランでは、2018年に米国による経済制裁が再開されて以降、CPIが急上昇した。イラン暦1398年第2月(2019年4月21日~5月22日)に52.1%に達した後は低下傾向をたどり、一度は20%弱にまで低下したが、新型コロナウイルス感染拡大とともに、1399年第2月(2020年4月20日~5月20日)には再び上昇に転じていた(2020年11月4日記事参照)。その後のCPI上昇率を前年同月比の推移でみると、1399年第7月(2020年9月22日~10月21日)から1年間にわたり40%台で推移していたが、1400年第7月(2021年9月23日~10月22日)に39.2%と40%を下回り、第8月以降も緩やかに低下している(添付資料図参照)。
ハーメネイー最高指導者は1401年の新年のメッセージ
の中で、1400年の最も苦しかった困難として、国民生活の困窮、物価高およびインフレを挙げた。これに対し、イブラーヒーム・ライーシー大統領は3月23日の新年最初の閣議において、「最高指導者の懸念を政府は真剣に考慮しなくてはいけない。政府はインフレを解消するために、昨年度とは異なる取り組みをする必要がある」と述べた〔3月23日付イスラーム共和国通信(IRNA)
〕。
(注)イランの会計年度は、春分を新年とする太陽暦のイラン暦に基づき、西暦3月21日ごろ~翌年3月20日ごろ。
(稲山円)
(イラン)
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