国会がIMFとの債務再編に係る合意内容を承認

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年03月22日

アルゼンチン国会は3月17日、債務再編に係る拡大ファシリティープログラムに関するIMFとの合意を承認する法案を可決した。3月18日に法律27,668号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとして官報公示された。マルティン・グスマン経済相は「これまでと根本的に異なる合意に達した」との声明を発表。今回の合意内容が、労働市場改革や年金削減などの構造改革を伴わず、与党の中心的な支持層である労働者、低所得者層への影響は限定的と強調した。経済省とIMFはスタッフレベルでの合意を3月3日に発表していた(2022年3月7日記事参照)。

法案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は3月11日にまず下院(議席数:257)で賛成202、反対37、棄権13、欠席4で可決(注)され、17日には上院(議席数:72)で賛成56、反対13、棄権3で可決された。下院では、与党急進派の議員と極右、極左の野党議員が、上院では与党急進派の議員が反対に回った。IMFとの合意をめぐっては、国会への投石騒ぎなどブエノスアイレス市内で抗議活動が盛んに行われていた。

写真 IMFとの合意に反対するデモの様子(ジェトロ撮影)

IMFとの合意に反対するデモの様子(ジェトロ撮影)

今後は、IMF理事会が内容を承認して最終的な合意となる。IMFは3月19日、「ウクライナでの戦争を含め、急速に変化する世界の環境を考慮する時間を確保するため、IMF理事会は3月25日にアルゼンチンの支援要請を議論する予定」との声明を発表した。また、アルゼンチン政府は、3月21日と22日に返済を予定されていた債務を3月31日までに返済することを決定した。これについては「1970年代後半に採択された理事会決定により、加盟国は暦月に期限が到来する複数の債務返済を一括して行う権利を有するため、IMFの規則に合致しており、延滞にはならない」との見方を示した。

IMFとの合意の行方はIMF理事会に委ねられている。与党連合内ではIMFとの合意をめぐって、アルベルト・フェルナンデス大統領率いる中道左派と、クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル副大統領が率いる急進左派の対立が鮮明になった。今後、どのように政権運営を進めていくのか、与党内の動きに注目が集まる。

(注) 下院議長は賛成票と反対票が均衡したときに投票するため、今回は投票していない。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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