新型コロナ対策の緊急事態を解除、入国後の検査・隔離義務も原則撤廃へ

(ベルギー)

ブリュッセル発

2022年03月08日

ベルギー連邦政府は3月4日、新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあり、感染症患者による集中治療室の占有率も低下しているとして、7日からベルギー独自の評価基準である「コロナバロメーター」(2022年2月16日記事参照)を3段階中2番目に厳しいオレンジから、最も低い黄色に変更すると発表(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。これにより、飲食店やイベントなどで導入していた「COVIDセーフチケット(CST)」(注1)の提示義務などの制限措置が解除され、ワクチン未接種者でもバー・レストラン、文化・娯楽施設などを再び利用できるようになった。また、新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態を解除し、2020年3月13日から開始していた危機管理計画で定める「連邦段階」措置(注2)を終了すると発表した。

ただし、病院や高齢者施設などの医療施設と公共交通機関でのマスク着用義務は引き続き維持される。また、テレワークは推奨ではなくなるものの、政府は企業に対し、テレワーク制度を構造的に定着させるよう求めた。

出入国管理規則も3月11日から緩和される。全ての渡航者に義務づけていた渡航者位置特定フォーム(Passenger Locator Form:PLF)の記入は、EU理事会(閣僚理事会)が勧告する入域制限解除国・地域以外の国・地域(2022年1月18日記事参照)からの渡航者に限られる。また、有効なワクチン接種証明書、陰性証明書または回復証明書のいずれかを所持する渡航者については、入国時の検査と隔離義務を撤廃する。ベルギー居住者でも、必要な証明書を所持しておらず、感染状況が懸念される国・地域(注3)から入国する場合は、到着日に所定の検査を受ける必要がある。

ベルギー非居住者については、入国に際して引き続き新型コロナに関する証明書のいずれかを提示する必要がある。また、EU理事会が勧告する入域制限解除国・地域以外の国・地域に居住する者の必要不可欠ではない渡航は、ワクチン接種証明書などの必要な証明書を有していない場合、引き続き禁止する。

(注1)EUデジタルCOVID証明書のベルギー版で、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書、回復証明書、陰性証明書のいずれかを示す。

(注2)事態が広域に及ぶことから、連邦政府が全土に対する措置を一元的に決定する段階のこと。

(注3)欧州疾病予防管理センター(ECDC)の地図上で濃い赤色で示されている国、およびEU理事会が勧告する入域制限解除国・地域以外の国・地域。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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