米エネルギー会議「CERAウィーク 2022」が開幕

(米国)

ヒューストン発

2022年03月09日

米国のエネルギー会議、「CERAウィーク 2022」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが3月7日、米国ヒューストン市内のヒルトン・アメリカズ・ヒューストンで開幕した。会議は3月11日まで開催される。

同会議は、「ダボス会議のエネルギー版」とも称されており、2022年で40周年を迎える。前回対面式で実施された2019年の会議では、5,000人以上が参加したとされている(「ヒューストン・クロニクル」紙電子版3月6日)。今回の参加者数は未公表だが、「新型コロナ禍」の中でかなりのにぎわいになっている。

7日の会議冒頭には、米国のジョン・ケリー気候変動担当大統領特使が登壇した。冒頭、ロシア・ウクライナ情勢について触れ、「プーチン大統領は違法でいわれのなく、極めて危険な、かつ第二次世界大戦以来われわれが苦労して築き上げてきたすべての行動規範に背いたイニシアチブをとった」と批判した。またケリー特使は、制裁が重要としつつも、「コストはかかる」との見方を示した。環境エネルギー問題に関しては、2050年までのネットゼロ達成のためには2020年から2030年にかけて十分な努力を要すること、エネルギー転換の実行にはエネルギー業界の投資が不可欠である旨を述べた。

写真 ケリー特使による講演の様子(ジェトロ撮影)

ケリー特使による講演の様子(ジェトロ撮影)

エクソンモービルのダレン・ウッズ会長兼最高経営責任者(CEO)は、多国籍企業がロシア事業から撤退する中で、世界の石油需要を満たすために生産量の最大化に取り組むこと、ブルー水素(注1)がエネルギー転換の中で重要な役割を果たす旨を述べた。同社は3月1日、ロシア極東サハリン州での天然ガス・原油採掘事業「サハリン1」の操業を停止するプロセスを開始し、ロシアでの新規投資は今後実施しないと発表した(2022年3月2日記事参照)。

各社の最新技術を紹介するイベントでは、三菱パワーアメリカのビル・ニューサム社長兼CEOおよび米国三菱重工の新規事業開発担当の境亮祐氏が登壇し、水素バリューチェーンの構築に向けて、グローバルな水素経済、水素技術への投資のアプローチ、水素プロジェクトの成功事例および水素製造コストの低減について述べた。三菱重工は、ターコイズ水素(注2)を製造するモノリス(本社:ネブラスカ州リンカーン)(2020年12月2日記事参照)およびC-ZERO(本社:カリフォルニア州)(2021年3月1日記事参照)への出資に加え、グリーンアンモニア(注3)を製造するスターファイア・エナジー(本社:コロラド州デンバー)(2021年4月14日記事参照)への出資を発表している。

写真 三菱重工のセッションの様子(ジェトロ撮影)

三菱重工のセッションの様子(ジェトロ撮影)

(注1)化石燃料を原料とする。ただし、製造過程で発生する二酸化炭素(CO2)を回収・貯留(CCS)または回収・有効利用・貯留(CCUS)を行い、有効利用または地中に貯留する。

(注2)水素の製造プロセスにおけるCO2排出量などの環境負荷度合について、カラーイメージで識別することが世界的に広まってきており、グリーン、ターコイズ(トルコ石の青さの意)、ブルーなどが「クリーン水素」とされている。

(注3)再生可能エネルギー電力、水、空気を原料とし、製造時にCO2を排出しないプロセスで製造されるアンモニア。

(沖本憲司)

(米国)

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