エルドアン・トルコ大統領がUAE訪問、CEPA交渉開始など13分野で合意

トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は2月14日、アラブ首長国連邦（UAE）のアブダビを訪問し、アブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子と会談した〔2月14日付UAE国営エミレーツ通信社WAM〕。エルドアン大統領のUAE訪問は2013年以来9年ぶりだが、ムハンマド皇太子が2021年11月にトルコを訪問した機会に次ぐ首脳会談となり、両国の緊張関係改善の流れがさらに加速したかたちとなった。

エルドアン大統領は15日午後、ドバイ国際博覧会（万博）会場を訪問し、ドバイのムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム首長と会談。ムハンマド首長はツイッターで「今回のエルドアン大統領のUAE訪問は、2国間の協力と戦略的パートナーシップの新たな局面を切り開く契機となる」と発言した。

2021年11月にムハンマド皇太子がトルコを訪問した際には、エネルギーや環境、金融、貿易など10件の協力覚書（MoU）が締結されており（2021年11月26日記事参照）、2022年1月には50億ドル相当の2国間通貨スワップ協定が結ばれたが、今回の訪問では、両国間で9件のMoUなどを含む13分野の合意文書が交換された（2月14日付WAM）。

今回両国政府間で締結された合意文書は以下のとおり。

1. 健康・医療分野に関する協力協定
2. 先端技術産業・テクノロジー分野に関する協力協定
3. 気候変動に関する協力協定
4. 文化分野の協力協定
5. 包括的経済連携協定（CEPA）の交渉開始に関する共同声明
6. 農業分野の協力協定
7. 陸路・海上輸送に関する協力協定
8. 青少年分野の協力協定
9. 防災に関する協力協定
10. 気象学分野の協力協定
11. メディア間の協力プロトコル
12. 防衛協力に関する基本合意
13. 国立図書館間の協力合意

また、アブダビ政府は15日、新型コロナウイルスワクチン接種状況にかかわらず、入国後の隔離期間が免除される「グリーンリスト」対象国を更新した。新たに追加した対象国の中にはトルコも含まれており、2国間の交流がさらに活発化することが見込まれる。

（山村千晴）