ホーチミン市、新型コロナ感染抑制で生産が回復中

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年02月24日

ベトナム南部のホーチミン市では、新型コロナウイルスの感染抑制により、生産活動の回復がみられる(「ベトナム国営通信」2月16日)。

同国では行政区ごとに新型コロナ感染リスクを評価している(2021年10月19日記事2022年2月14日記事参照)。この点、ホーチミン市については、2月14日に新基準(218/QD-BYT)を適用した評価が初めて行われ、4段階の中で最もリスクの低いレベル1(グリーン)だった(「健康と生活」2月16日)。なお、同市では旧基準下でも、1月6日以来、レベル1が維持されている(2022年1月18日記事参照)。

他方、ベトナム税関総局発表の貿易統計によると、2021年1月から11月までのホーチミン市の輸出額(約401億1,000万ドル)は、同国の主要輸出品目の携帯電話の生産拠点があるバクニン省(約406億3,000万ドル)を下回った。しかし、2021年12月単月でホーチミン市(約47億9,000万ドル、前年同月比10.5%増)がバクニン省(約42億3,000万ドル)を上回った結果、2021年通年ではホーチミン市(約449億ドル)がバクニン省(約448億5,000万ドル)と逆転し、ベトナムの地方省・市別の輸出額で首位となった。2022年1月にも、ホーチミン市(約40億8,000万ドル)がバクニン省(約34億8,000万ドル)を上回って首位となり、生産活動の回復がうかがえる。

ホーチミン市商工局によると、同市の1月の小売り・サービス業の総売上高は、73兆5,000億ドン(約29億4,000万ドル、1ドン=約0.00004ドル、前年同月比5.1%増)だった。このうち、小売業の売上高は47兆9,000億ドン(同7.1%増)、宿泊・飲食業は2兆7,800億ドン(6.7%増)、観光業は2,850億ドン(8%増)。同局は、生産活動と輸出を今後促進し、工業については5%の成長率、小売り・サービス業は同10%、外国貿易(原油を除く)は9%の成長率を目標としている(ベトナム国営通信社「ベトナム・プラス」2月16日)。

(比良井慎司)

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