ホーチミン市、感染リスクが最低レベルに

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年01月18日

ベトナムのホーチミン市人民委員会は1月8日、新型コロナウイルス感染対策の新基準を盛り込んだ政府決議128号(128/NQ-CP)(2021年10月19日記事参照)および保健省決定4800号(4800/QD-BYT)に基づき、新型コロナウイルスの感染状況を評価した結果、2022年1月6日時点で同市の感染リスクのレベルは、4段階のうち最もリスクが低いレベル1(グリーン)に下がったと公表した。同日付の同市政府公報サイトなどが伝えた。

同市の感染リスクがレベル1となるのは、ベトナム政府が「ウィズ・コロナ」期のニューノーマル(新常態)政策に転換して以来、初めて。

政府決議128号では、各省・市の人民委員会が各行政区の感染リスクを4つのレベル(リスクが低い順にグリーン、イエロー、オレンジ、レッド)に分けている。この評価基準は、(1)感染割合、(2)ワクチン接種率、(3)医療体制の3つの指標に基づく。たとえば、18歳以上のワクチン接種率が70%を超えた省市がレベル1に該当するには、人口10万人当たりの1週間の新規市中感染者数〔(1)感染割合〕が50人未満となることが必要。ホーチミン市の場合、12月31日~1月6日の1週間の新規感染者数は3,726人(保健省)で、2020年の人口統計(約923万人)を用いて試算すると、感染割合が40.4人となり、50人未満という基準を満たす。なお、同市の1日当たりの死者数については、2021年8~9月に200人を超える水準にあったが、直近1週間(1月6~12日)の平均は19.1人と減少しており、評価基準以外の要素からも感染リスクの低下がうかがえる。

ホーチミン市では、感染リスクの低下を受けて、社会・経済活動の再開が進んでおり、1月4日から中学・高校において対面授業が再開された(注1)。また、1月10日からバー、カラオケ、マッサージなどの営業再開が許可されている(注2)。

(注1)ホーチミン日本人学校は、1月5日から中学部の対面授業を再開。

(注2)ホーチミン市では、2021年9月10日に外国経済団体や関係機関を集めた会議において、厳格な社会隔離の終了後、段階的に規制緩和を進める方針を示し、2022年1月15日以降に不要不急のサービスを含む全経済活動を再開することを目指している。

(阿部浩明)

(ベトナム)

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